第41話 頂上決戦!嵐を呼ぶラストバトル!
「あんたたちの願いを叶えるとか、そんな安っぽい星は私が砕いてあげる!……変、身!」
ニャーン!ニャーン!
足下から放たれた銀色の光がシズカの全身を包み込む。光が実体化し、シズカの完璧なボディがシルバーのスーツに包まれると、真紅の炎ではなく闇色の炎がシズカを焼き尽くす!炎が全てを焼いたあとには、深淵よりも深い闇色の戦士が現れた。果たして、正義の戦士なのか、悪魔の使徒なのか!
「時空監察官シズカWG!さあ、命乞いをしてみなさい!」
悪魔だった!
『そうだ、時空監察官シズカよ!その禍々しい姿こそ、我らが求める最後の凶星!』
『すべての星は揃った!この伝説の木の下に!』
「禍々しい?じゃあこれでどう!?はいぱぁモード!」
以前の簡易モード同様に、装甲の大部分が光となって消えていく。だがはいぱぁモードは、パージした装甲分のエネルギーを攻撃に回すことができる、究極の戦闘モードなのだ!
その頃、山田は!
「キュリピュア!ギャラクシーアップ!」
掲げたミャウドライバーからピンクのハートが降り注ぐ。浴衣が消え失せた瞬間、山田は光のスポブラとおパンティだけを身に付けていた。ポップな音が鳴り、おパンティが弾け、ふんわり謎形状のポップなスカートに、スポブラは肩出しおへそ丈の謎ポップ衣装に変化した。
つま先から光のヴェールが延びてきて、ポップなブーツへ、指先から肘にかけてはロングなポップグローブ。
ボサボサの後髪が伸びて、編み込まれ、先端には謎のポップいボール型髪留め。髪色は先端に向けてゴールドのグラデーション。
メガネがコミカルな音とともに消えると、代わりに可愛い帽子が頭に乗っかる。
つま先から次々に各所に弾けて現れるハート型アクセをあおるようなカメラワークが周りながら追いかける。
変身が終わり、ヒロインは地面に降り立つ!
「にじみ出る勇気!ピュアブレイブ!」
他に言葉は浮かばなかったのかい!ブレイブ!微妙にカッコ悪いよ……。
あと……筆者注記!山田の妄想の中ならば伏せ字で済んだのに!えっと、字面も姿も似ているだけですよ!
呆気にとられながらも、黒マント達はスタンスを変えない。
『何者かは知らんが、知っているぞ……』
『おまえ達は近年、直接攻撃が禁止されているのだろう?』
ブレイブの右手が輝く。
「あ、それは本家なんで。キュリピュア!ブレイブパ~ンチ!」
腰の入っていないへなちょこパンチだが、謎パワーが付加されているため、当たらなくても敵は吹っ飛ぶ。慌てて走り去る残りの黒マント達。
『萌子を放せ!」
ブレイブは黒マント達を追った。
伝説の木、月、星々。地面で光り輝く魔法陣。そして人界と異界とを繋ぐ高エネルギーな魂、時空を越える非常識な存在!
『待たせたなよ同志よ!ククク!』
『無貌の少女を確保した!』
『しかし厄介なのが現れて……』
『こっちも、時空監察官シズカのパワーインフレがひどい!』
『だが我々の勝ちだ!』
魔法陣から黒い放電が立ち上がる。この時空の物理法則にとらわれない、異界の法則。
『今こそ……』
「あれ?シズカ?えっ何それ、可愛い!」
「もしかして山田?うわうわ!え?可愛すぎる~!」
真の強者は場の雰囲気など気にしないのだ。
ミャウドライバーのカメラモードはね~なんて言い合ってる。
「ち、違うわ!私はブレイブ!愛と勇気の戦士、ピュアブレイブよ!」
横ピースでポーズを決めるブレイブ。
「私も!時空監察官はいぱぁシズカWG!さあ、最後の祈りの時間よ!」
黒マント達を指差しポージング!
『こんな、ばかげた事があるかぁ!』
『あと少し、あと少しなのだぁ!』
魔法陣の中央から、巨大な木がせり上がってくる。これこそが
世界を終わらせ、意のままに作り替えることこそが、黒マント達の悲願、目的!
『ゆうき……助けて』
無貌の少女が助けを呼ぶ小さな声。
「萌子!」
「山田、あの子は?」
「……すごくいい子!」
「助けなきゃね!」
「うん!あ、私はブレイブだよ!」
「キュリピュア!ブレイブリボン!」
高エネルギーのリボンがブレイブステッキの先端から放たれ、新体操経験ゼロのブレイブが黒マントに捕まっていた無貌の少女を釣り上げた。
『ば、馬鹿な!』
『ククク!しかしもう止まらぬ!』
『我々の大勝利だ!』
少女は救出できたが、この場に鍵がそろっている以上、儀式は進んでいく。
シズカはミャウドライバーの画面を三回タッチ、一秒おいて五回タッチした。
ニャーン!ギャラクシーブレイク、インストール!
シズカとブレイブのミャウドライバーに最後の大業がインストールされた。
「ゆうき!最後の仕上げよ!」
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