空の向こうのストレリチア
トラオ
第一章 夢の中の一人の少女
「何だろうこの感じとても懐かしい気がする。」
まるでそこは空にいる感じだった、耳元から風の音、鼻には自然の匂いがした。
これは夢だろうか、にしては夢にしては、現実感を感じる。その時、耳元から何かが聞こえた。まるで、小さな声で泣いてる声だった。俺は、目を開けようとするが目がボヤけて、しゃがみ込んでる女の子の顔が見えない。
俺は、ゆっくりと立ち上がりしゃがみ込んで泣いてる女の子に近付いて背中を撫でながら囁いた。
「なぁ君、大丈夫?」
言葉を聞いた女の子は、泣きながらでも顔を上げてこちらに振り向いた。俺は、その顔を見た時とても綺麗だと思ってしまった。髪はロングで透けている様な白い髪、瞳は美しい赤い宝石のような瞳だった。
その瞳からうるうると涙腺が緩みまた泣き出してしまった。俺は、慌てて女の子の頭に手を乗せ撫でた時、女の子は、俺の手をぎゅっと握り話かけてきた。
「おにーさん、怖い...怖いよ...一人にしないでぇ」
そう泣きながら語り俺は、女の子を身体を優しく抱きしめ耳元で囁いた。
「大丈夫俺が側にいるよ、だから泣かないで」
ぎゅっと抱きしめた時、辺りが真っ白になった。その時、女の子の身体が光輝きふわりと浮かび空へと飛んで行く俺は、急いで手を伸ばしたが手は届かず声を上げた。
「行かないでくれぇ!!」
何故俺は、こんなにも行かないで欲しいと思ったのか分からなかった。でも、胸の中では行って欲しく無い気持ちが溢れていたのかもしれない。その時、女の子はゆっくりと、こっちに振り向き囁いて来た。
「おにーさんまた、会おう未来の導く先で」
囁いた瞬間辺りが光輝き俺は、目を開けていつも見ている天井に手を伸ばしていた。俺は辺りを見渡し自分の部屋だと確認した。その後、顔に手をつけ考え込んでしまった。あの子が最後に語った言葉が頭の中で悩み込んでいた事。
「あの子が言った未来の導く先って一体どういう事なんだろう?」
考え込んでるうちに下からカンカンとなる音が聞こえた。
「レイト朝ご飯出来てるよー降りて来てー」
母さんが下から声をかけ俺は素早く返事する。
急いで服を着替え階段を降り一階のリビングに向かった。夢にあったあの子は、また後考えてみるかっと思い朝を迎えた。
「母さん、父さんおはよう。」
「レイトおはよう。」
「レイトおはよう食べる前に顔洗って来なさい。」
朝から楽しく家族と一緒に普通の生活を送る事でした。
たが、俺はまだ知らなかった。これからこんな事が起きてしまう絶望の始まりが起きる事をまだ誰も知らなかった。
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