思いがぴったり一致する魔法

@d_kokucho

思いがぴったり一致する魔法

遥か雲の上に、天空の城がありました。そこには、地上の人々の心を繋ぐ使命を持つキューピットが住んでいました。彼は特別な矢を持ち、それを使って人々の心のメッセージを届けるのです。


地上では、ミホとタクミという二人の恋人がいました。ミホはある日、突然タクミに会いたくなり、手の中の魔法の箱、スマートフォンを開きました。すると、まるで魔法がかかったかのように、タクミからのメッセージが届きました。「今、君のことを考えていたよ」と。ミホは心からの感謝を込めて返信しました。「私も今、タクミのことを思っていたの。会いたいね」。


海辺の町にはある喫茶店のマスターがいました。彼は遠く海外に住む娘のことを思いながら、香り高いコーヒーを淹れていました。その時、店の古い電話が鳴り、マスターは「もしもし、こちらは喫茶店です」と応答しました。電話の向こうからは、娘の懐かしい声が聞こえました。「パパ、元気?」。マスターは涙を浮かべながら、「おお、お前か!元気だよ。お前の声が聞けて、本当に嬉しい」と答えました。


山の上の小さな村には、息子を海の向こうに送り出した母親、ハナコがいました。彼女は息子のケンジが健康で幸せであることを願いながら、彼の好きだった花を育てていました。ある日、突然息子からのビデオ通話があり、ハナコは驚きました。「ケンジ、どうしたの?何かあった?」と心配そうに尋ねました。ケンジは少し照れくさそうに笑い、「いや、特に何もないよ。ちょっとお母さんの顔が見たかっただけだ」と答えました。


夜が更け、キューピットは天空の城で一日の仕事を終え、静かに休息を取りました。妻の声が聴きたいと自分の魔法の箱を見つめるとタイミングよく愛する妻からのメッセージが表示されました。「愛してる。今日も一日お疲れ様。」キューピットはうれしい気持ちになりました。

キュープットはふと考え、空遠くを見ました。

「神様かな?」

星々が瞬く空を見上げながら、遠くからの愛を感じて微笑みました。


自分もまた、誰かに愛され、見守られていると思ったのでした。

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