5「繭住懐古による続き」
「朝顔さんおはよう」
そう声をかけると、朝顔さんは「おはよう」とそっけなく返した。目も合わせようとしない。俺は一瞬挫けそうになったが、意を決して再び話しかけた。
「あのさ......その、そうだ!実は一昨日、朝顔さんが好きそうな場所を見つけたんだよね」
「好きそうな場所?」
朝顔さんが訝しげな目で俺を見る。俺はめげずに続けた。
「あたり一面お花畑に覆われた、すごく綺麗な公園があるんだ。朝顔さん、前、花好きって言ってたよね?一昨日、妹と一緒に行ったんだけど、めちゃくちゃ良いところで......」
「妹?......あの子......妹だったんだ」
独り言のように朝顔さんは言った。
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