第2話 ただ知りたかっただけなのに
今日は待ちに待った月曜日。
やっと海星に会える。
「危なかったぁ」
いつもは海星が朝起こしに来てくれるから時間とか気にしたことなかったけど今日は海星が来てくれなかったから危うく遅刻しそうだった。
「今日は海星をどこに誘おうかな?」
最近、といってもこの土日だけど遊べてないから久しぶりに遊ぶのがすごく楽しみだった。
そのことを考えているだけで胸が躍ってしょうがない。
おっと、もう教室についてしまった。
まだ海星は来てないみたい。
来るまで暇だなぁ~
「おはよう茜」
「おはよう春奈」
私が海星を待っていると後ろから声をかけられた。
潮風
「なんか機嫌よさそうだけど何かいいことでもあったの?」
「いや?良いことは全然ないけどどうして?」
「いや、なんだか顔がニヤついてたからいいことでもあったのかなって思ってさ。」
「そんなにニヤついてた?」
「うん。はたから見てもかなり。」
どうやら結構ニヤついてたみたい。
そういうのって自分で気づけないから気を付けないと。
「そっか。気を付けないと。」
「そうしたほうがいいよ。ちょっと気持ち悪いから。」
「そんなに!?」
「まあそこそこ。」
そこまで気持ち悪かったのか。
気を付けないと。
そんなことを考えていると教室の扉が開いて海星が入ってきた。
海星にしては結構ぎりぎりの時間だったけどもしかしたら止まってた人の家が学校から遠かったのかもしれない。
「かいせ~い。おはよう!」
いつものように私は海星に話しかけた。
「なんだよ。」
「いや、ただあいさつしただけだよ~。それよりも今日の放課後一緒にクレープでも食べに行かない?」
色々と考えたけどクレープを食べたかったからクレープを食べに誘ってみた。
確か海星も甘い食べ物が好きだったはずだし。
「お前イケメンの先輩と付き合ってるんじゃないのかよ。その人と行けばいいだろ?」
「え?あんなの嘘だよ?」
そういえば、そんな嘘もついたな。
でも、私が海星以外の男と付き合うわけないのに全く。
「嘘?お前何言ってんだよ。」
「だから、嘘だって。もちろん別れるっていうのも嘘。海星が私のこと好きか確かめたくてやっただけ。ごめんね?」
どうやら私の冗談を信じていたらしい。
全く心外だな~
「そんなの知るかよ。お前が別れろって言ったから別れただろ?それに僕はもう新しい彼女ができたんだ。」
「またまた~そんな嘘ついちゃって。」
流石に言い過ぎたからすねちゃったのかな?
そんな海星も可愛いな。
「嘘なんかじゃない。本当に新しい彼女ができたんだ。だから僕とはもう関わらないでくれ。」
え、、、
どういう事?
海星が私以外の女と付き合ったってこと?
意味わかんない。
「それ、本当に言ってるの?」
「嘘でも冗談でもない。事実だ。」
「なんで、そんな簡単に新しい彼女なんて作るの!?意味わかんないんだけど!」
海星があのことを本気で受け取ったとして新しい彼女を作るまで早すぎない?
普通なら引きずったりするんじゃないの?
私のことはそこまで好きじゃなかったってこと?
「そんなのお前に関係ないだろ?そもそもお前があんな振り方をしなければこんなことになってないんだから僕がお前にそんなことを言われる筋合いはない!もう関わらないでくれ。顔も見たくない。」
「そんな、、、」
酷い。
私はただ海星が本当に私のことを好きかどうか知りたかっただけなのに。
海星は今まで見たことないくらい私に冷たくそういってきた。
あんなに怖い表情で怒っている海星は初めて見た。
怖い。
あんなふうに海星に睨まれるのが怖い。
私は俯くことしかできなかった。
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