【ASMR】ケモミミお姉さんと森の一軒家でイチャらぶスローライフするASMR

森上サナオ

第1話 森で助けてくれたケモミミお姉さんの家で暮らすことになりました。

 SE:激しい雨音、ときおり遠雷

 SE:ヒロイン足音、近づく

 (うずくまった主人公に近づくヒロイン。立ったまま声をかける)

 (ヒロイン声質:やや低め、落ち着いた声。やや気だるげ)

「おい」

 

 (すこし大きな声で)

「おい、キミ」


 (主人公の正面にしゃがむヒロイン)

 (すこし苛立った声で)

「こんなところでなにしてるの?」

「道に迷った?」


 (ヒロインため息)

「……まったく」

「天気が荒れることくらい分かっただろうに……」

「こんなときに森に入っちゃダメ」


 (ヒロイン立ち上がる。声、頭上から)

「ついて来て」

「どこへって……」

「わたしの家に決まってるでしょ」

「今から森を出るのは危険すぎる。天気ももっと荒れる」

「こんな中、キミみたいな子どもを放置して死なれたら目覚めが悪いでしょ」

「人の好意は素直に受け取って」

「ほら、こっち」

「あっ……ちょっとキミ、大丈夫っ?」


 (声が近づく。至近距離)

 (心配そうな声で)

「立てないの?」

「一体、いつからここに……?」

「半日以上……?」


 (すこし苛立った声で)

「はぁ……」

「仕方ない。ほら、掴まって。抱っこしてあげるから」

「なんだその顔。キミひとりくらい抱えて歩けるよ」


 (小声で)

「キミ“たち”より、力は強いからね……」


「ううん、なんでもないよ……掴まって」


 (ヒロイン声、右から、密着)

「いい? それっ」

「ね、言ったでしょ? キミくらい軽々、だよ」

「じゃあ、行こっか」


 (ヒロイン、ひとり言)

「やれやれ。なんでわたしがこんなことを……」


 SE:雨粒が外套を叩く音

 SE:濡れた地面を歩く足音


「さあ、ついたよ」


 (ヒロインの家に辿り着く。森の中の古びた一軒家。ドアや床が軋む)

 SE:軋みながらドアが開く音

 SE:足音、床板がぎしぎしと鳴る音


「暗いね、すぐ灯りを用意するからすこしがまんして」

「とにかく、身体を温めないと」

「暖炉の前、座ってて」 


 SE:床板がぎしぎしと鳴る音、ヒロイン遠ざかる

 SE:外套をバサバサと払う音

 SE:マッチを擦る音

 (ヒロインが蝋燭に明かりを点ける)

 SE:ヒロイン足音、近づいてくる

 (燭台を主人公の左側に置く)

 SE:蝋燭の芯が燃える音


「ん? どうかした?」

「耳……?」


 (小声で)

「ああ、そっか。言ってなかったか……」


 (声正面から)

「うん、本物だよ。耳も……」

 

 (ヒロイン身体を捻り背中を見せる。すこし声が遠くなる)

「こっちの尻尾も」


 (再びヒロイン声正面から)

「驚いた?」

「その通り。狼の耳と、狼の尻尾……わたしが獣人である証拠」


 (苛立ちを滲ませた声、どことなく寂しそうに)

「安心してよ。とって食べたりしないから」

「獣人に助けられて、不満? 嫌だった?」

「構わないよ、どう思われても……」


 (ヒロイン声、正面から、至近距離)

 (驚いた、慌てた声で)

「わっ?! な、なに……?」

「……はっ?! 触って良いかだって?! だ、だめだめ!」

「むやみやたらと触らせていいものじゃないの!」


 (呆然とした声で)

「キミ……怖くないの?」

「何が……って、わたしが、怖くないの? だって、獣人なんだよ?」


 (一瞬、呆気に取られて、それから慌てた声で)

「かわいい……? な、なに言ってるの……からかわないで……!」


 (ヒロイン声、すこし遠ざかる)

 (冷静に、確認するように)

「キミたちより力も強いし、目も鼻も利く。見ての通り、獣なんだよ……?」

 

 (皮肉っぽく)

「……キミも親からさんざん言われて育ったんじゃないの?」


 (すこし寂しげに)

「獣人に近づくな。獣人と関わるなって……」


 (呆気に取られた声で)

「……え? 初めて見た? 獣人を?」

「キミ、いったいどんな場所で育ったらそんな……」


 (唖然とした声で)

「異世界? ここが?」

「じゃあキミは、別の世界から来たって言うの?」

「獣人のいない? そんな場所から?」


 SE:雨音が窓ガラスを叩く音

 SE:隙間風の音

 SE:蝋燭の火が揺れるかすかな音 


 (申し訳なさそうに)

 (声、やや近づく)

「ごめん……キミのこと、なにも知らないまま、わたし……」

「そっか……」


 SE:ヒロイン足音、近づく

 (ヒロイン、主人公の右に座る)

 (ヒロイン声、右から。小声でささやく。寂しげに)

「キミも、ひとりぼっちなんだね……」

 

 (ヒロイン、ひとり言)

「わたしと、一緒だ……」


 SE:隙間風の音

 SE:雨粒が窓ガラスを叩く音

 SE:遠雷


 (少し緊張した声で)

「ねえ……」

「もし、キミがイヤじゃなかったら……」


 (意を決した声で)

「この家で一緒に暮らさない?」


 (すこし自信なさげに)

「キミは、他に行く場所もないみたいだし……」

「このまま、キミを放り出すのも目覚めが悪いし……」


 (驚いた声で)

「……ほんと?」


 (嬉しさを隠し切れていない様子で)

「……そう、うん。もちろん」

「あ、そうだ……まだ、言ってなかったね、わたしの名前」


 (ヒロイン声、正面、近距離)

「わたしは、ベルカ。よろしくね」

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