光あれ、と声の限りに。

遊月奈喩多

prologue:いつまでも眩しいあなたで

 ねぇ、光莉ひかりちゃん。


 子どもの頃、あなたは名前通り私の光だった。

 みんなの目が怖くて何も言えない私をいつも助けてくれて、言えないことも代わりに言ってくれて、そんなあなたの優しさに戸惑うばかりの私に、『気にしないでいいよ!』といつも笑ってくれた。


 ねぇ、あなたはあの日から、ずっと私の光なんだよ?

 ずっと、ずっと。

 今でもずっと、私の光。


 誰にも、曇らせたりなんかしないから。


 だから。

「ふふふ、」

 だから誰のものにもさせない。


「ははっ、あははっ、ははは」

 誰かの影になんかさせない。


 もしもあなたの光を奪おうとするものがあるなら、私が全部払い除けてあげるから。

 だからあなたは、ずっとあの日のままでいて。


 暗闇で眩しく輝く、光のままでいて。

 それだけが、私の望み。

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