第27話ワケ

歩きながら、杜若とラヴァが会話をする。

「ラヴァ。本当にこんな事していいのか?お前は本当に人間の味方なのか?」

「私は化け物達の味方だよ。メリットとデメリットを考えて動いてるだけ。生物が仲間を増やすのは当然だよ。」

「ならいいんだけど」


ラヴァ達はそびえ立つ巨大な化け物の前にやってくる。


「ごめん。ママ。」

ラヴァがそう呟くと、巨大な化け物が微笑んだような気がした。

ラヴァは口を大きく開いて大量の煙を出し、化け物のバリアの中に入っていく。ラヴァが化け物の前にやってくると、ツインテールの形をしたものが触手に変化し、ものすごい速度で化け物を切り刻む。


EP27 ワケ


一方。太平洋上空。


平井達を乗せた飛行機は、最初の目的地である中国に向かって飛んでいる。平井、藤田の他に、イダ、イトと呼ばれる化け物も乗っている。

「あのさ。藤田は…なんで人を殺したの?なんで殺人鬼になったの?」

平井がうつむきながら呟く。

「最初に化け物の力を使った時、瞬間的に人を殺した。何というか……その時俺はやっちまった。もう警察のお世話だ。なんて思った。……だからどうせ逮捕されるならもっと人を殺さないと………って思って。」

「え?」

藤田の意味のわからない思考回路に、平井は少し困惑する。

「人とかを殺すのは楽しい?」

「楽しくはないな。というよりストレス発散……いやちょっと違うか。なんか勿体無いって思う」

それを聞くと、平井は少し残念そうな顔をする。

「…………そっか……。そりゃそうか。」

「………………?」

「あのさ、化け物ってなんか怖がられてる感じしない?当たり前なんだけど、人として見られてないっていうか。」

「そりゃそうだな。ていうか……それは俺のせいもあるかも」

「いや、藤田が化け物になる前から嫌われてたよ。私が最初に倒したのが、自衛隊の人たち殺しまくっちゃったから。ていうか、まず未知の生物が現れたらそりゃ怖がるか。…………」

「まぁ、辛く考えても仕方ないだろ。」

「うん…………」

平井はまた、残念そうな顔をする。

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