【果たしていつ】お題に沿って一日一エッセイ【挫けるか】

いぬかしら

1、紙飛行機


 どんなものかふわっとは知っているが、ちゃんと調べたことはないのでずっとふわっとしたままのものがたくさんある。紙飛行機はそのたくさんのうちのひとつたっだ。

 いつまでもそんなことじゃいけないよな、とある日思い立って、ネットで折り方を調べてみる。遠くまで飛ぶものや早く飛ぶものまで色々な折り方があったが、とりあえずありとあらゆる場面で見かける極めてスタンダードなものを見繕って、ルーズリーフで折ってみる。そうしたら結構それらしいものが出来上がって、嬉しくなったので部屋の隅から向かいの隅へすいっと投げる。

 すぅーっと右に弧を描いて飛んだ旅客機は、ほとんど音を立てず洗濯機の後ろへ吸い込まれていった。慌てて追いかけて洗濯機の裏を覗き込もうとするが、隙間は思いの外狭くて暗くて恐ろしい。

 慣れないことはするもんじゃないなと一気に気持ちがぐったりして、その日は寝ることにする。

 そうしていつか来る引っ越しの日まで、しばらくのさよならとなる。

 どうかお元気で。




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