番外編 大規模クラウン"ノア"入団試験 三十二.五の2
彼の姿が見えない、気配はするのに風を切る音しか聞こえない。
異常…初めの感覚に何かが芽生える。
これはなんだ…この感覚は…
後ろから剣が迫る、辛うじて受け止める事しか出来ない。
初めてだ、防戦一方の闘いなんてっ!
次は何処だ…後ろか?横か?
後ろと読んだが、前から
これも受け止めるがまた彼の姿が消えた。
ただ速いだけでここまで追い詰められた、速いというだけでっ…!
その瞬間だ、剣が前から放たれた…と同時に気配が背後へと生み出される。
負けるっ!
それが脳裏によぎり、本能のままスキルを選ぶ。
僕(スキル発動)
僕「王剣!」
使わされた…奥の手を。
頬から赤き液が滴り落ちる。
リュウト「届かなかった」
いいや、そんな事は無い。
僕「届いたさ」
リュウトへと近づく、僕の顔を見つめリュウトは驚く。
嬉しそうな…満足そうな顔をし、落ちた。
決めた、僕が班長になり、リュウト《彼》を僕の部下にする。
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