番外編 大規模クラウン"ノア"入団試験 六
〜四日目〜
地平線の彼方に日が照り出した頃、目がさめた。余りに次元が違う才能を見た時の興奮と共に覚える微かな劣等感を覚えながら試験の準備をする。今日は防御試験、今日と明後日で俺は点数を稼がなければヤバい。よし、俺は合格…俺は合格…俺は合格………うん……準備しよ。
〜午前9時〜 防御試験開始
教官?「防御試験の説明をおこなう! 受験番号の順にこの黒い箱に入り、円の中にのみ行動を許可する!試験時間は20分間だ!見て分かると思うが中は丸見えだ!くれぐれも不正など考えないように!」
大きなテントの中に八角形のデカい黒の箱があり、そのテントが5セットある。あの黒の箱の中に入るのか…
教官?「次!7番入れ!」
なんか囚人気分だ、そう思いながら中に入る。中は鏡のようになっていた。この世界にもあるんだな、え〜っと…あの名前何て言うんだっけ?あれだよ、一方からは見えるけど、もう一方からは鏡になってるあ・れ…こんなとこで教養のなさがでるとは…。
教官?「試験開始五秒前!…4…3…2…1」
俺(スキル発動 ステップ オブ ダンス)
前の穴から槍が出てきた。なるほど、これを避けろという訳か。右、左、斜め右、斜め左前、おっと後ろか。全体が鏡になっているからどの方向から来てるのはチラッと分かるが、鏡が鏡を反射し情報量が多い。
そして段々と速くなっていっている。斜め左、右…うわっ!前と右から槍が飛び出してきた。かろうじて避けたがこんなパターンもあるのか。八方から出てくる槍を避けるのはちとキツイな。
教官?「残り5分!」
二本同時に出てくるパターンが増え、三本のパターンも出てきた。肉体的には疲れてないが、精神的に凄い負担がくる。
教官?「残り十秒」
あと少し、頑張れ俺。
教官?「5…4…3…2…」
偶々だ、本当に偶々下を見た。さっきまでなかった真下に穴が出来てる。そう認識した途端反射的に体は動いた。
全方位からの槍に加え、真下からの槍。
俺「あっっぶね」
教官?「…0」
ヤバいって、殺意高いって。全方位はまだ予想が付くが、下からの槍は殺意のカンストだ。黄金なる玉の痛みは同じ男なら分かるだろ!?
テントから「あっ!?ん」みたいな声が聞こえてたのはこれが原因か…
教官?「防御試験はこれで終わりだ、くれぐれも試験内容をテント外の人に話すなよ!」
俺「はい!ありがとうございました!」
施設を後にする俺…聞こえてくる悲鳴に涙を流しながら、今なお戦う英傑に敬礼を…。
ただ…少し笑っちゃったよ。
入団試験コソコソ話
今回の試験の最後下からの攻撃は喰らう人が多いですが、見てる側からすると面白いので試験官の何人かが笑ってしまうらしいです。
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