独りぼっちの兵隊

羽弦トリス

第1話1人酒を飲む夜に

僕は、ご存知の方が多いだろうが、嫁さん、子供と別居している。

理由はまた、めんどくさい理由なので、円満別居なのであるのだが、今年の2月に子供が成人したら離婚すると言っている。

勝手にしやがれ!

こうなっては、円満別居とは言い難い。

ま、僕は10年前から1人暮らしをしている。

掃除、洗濯、自炊と1人でこなしてきた。

僕は結婚が遅く、1人暮らしが長かったので別に苦とは思わない。

ただ、子供ともう少し遊びたかった。子供はもう中学生で来年高校受験だが、ゲームばっかりしている。

子供とは、時々一緒に食事をする。

親子関係は悪くない。


3年前に父が亡くなり、1人暮らししていた母を九州から名古屋に呼んだ。

うちのマンションは2人暮らしはできないから、同じマンションの空き部屋をキープしておいて、母が今そこに住んでいる。

母は70だがまだ、介護の現場で働いている。

有資格者なので、重宝されている。

仕事は僕が見つけた。

面接の際、施設まで連れて行き、外で待っていた。

その日に採用が決まった。


僕は仕事して、母も仕事なので休みが合うのは日曜日だけ。

土曜日晩飯に一緒に酒を飲みながら、晩飯を食べている。

母はまだ、名古屋に慣れていないから、色んな店に連れて行く。

市バスと、市営地下鉄を乗りこなせるようになれば生活の幅が広がると思い、日曜日用事のない時は連れ回す。

7年間、独りぼっちだったがつい最近から、日曜日だけ母と会う事になっている。


だが、僕が土曜日1人で居酒屋に行くと日曜日は昼まで寝ているから、会えない週もある。

去年の10月に、飲み仲間の髙田さんと言う女性と知り合い、たまに一緒に飲む。

地下鉄の駅が隣だから、今池で飲む事が多い。だが、作業所通いの我々はあまり金を持っていない。

だから、金が無くなると吉野家でビールを飲む事になる。

彼女には、彼氏がいるし趣味の活動もあるので、そう毎回飲む訳では無い。

帰宅しても、おかえりなさい。と言われる事は無い。

転職したら、部屋を借り直して母と2人暮らし出来る様に持って行きたいのだが、何せ便利の良いマンションに住んでいるので、中々引っ越しは出来ないのが現状。


母はもうそろそろ引退の年齢だ。

僕はこれからの中年男性。一生懸命、働きたい。

だが、今の会社じゃ未来は無い。

だから、転職するのだ。

酒を飲みたいが、1人じゃ美味しくないし。

世の中はお盆休みなのに、ここは仕事だし。

休日出勤しようが、給料は変わらない。

今から飯食べて、ちょっと夜遅くまで仕事を探そう。

昨日、一社応募してみた。


タバコに火をつけて、ゆっくりしたら、夜の薬を服用する事にする。


これが、今、僕が1人暮らしの内容である。

次回からは、1人で何を考えてるのか書いてみたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る