神様になったクソガキ3人は気ままに世界を運営します
ゆーれい
第1話 クソガキは石を触る
「くらえ!ファイアソード!!」
「ふはは〜!そんな攻撃効かぬわ!」
「遊びはここまでだ…」
魔力なんて存在しない世界のとある田舎町。いつもの公園にクソガキ3人。小学校も高学年になり、割と思考する能力を得たこの頃、それでも諦めることの出来ない夢が3人にはあった。
世界を救うヒーロー
世界を牛耳る魔王
どちらにも属さない第3勢力筆頭
そんな夢を抱える3人のクソガキ達は、今日も集まってそれぞれの夢のロールプレイに勤しんでいた。
「はぁ〜あ、本当に魔王に成れたらな〜」
「いや
「は?」
現在女の子に正面切ってバカにされた赤髪の少年は
「そういう
「は?頭きた。ボコボコにしてやるよ」
「ほらすぐ怒る。良いぜ、さっきバカにされた分も一緒に返してやるよ表でろやぁぁぁ!!!」
「ここが表だよ残念頭ァ!!」
反対に、啓人に向かって喧嘩を売っている茶髪の少女は
「2人ともうるさいよ、近所迷惑考えて」
「う…それはごめんだけどゆーちゃんもこいつに何か言ってよ!」
「そうだよ
「…始めから暴力に頼ったところで何も生まれなくない?まずは話合いをして、それが決裂したら脅し、それでも屈さなかったら戦争だよ。」
この無駄に達観した少年は
「むぅ…ゆーちゃんまた難しいこと言ってる」
「言ってないよ。いずれわかるでしょ。」
「あ〜あ、それにしても暇だなぁ……あそうだ。この間山行ったらすげぇとこ見つけたんだよ!今から行かねぇ?」
「なんで?教えてよ。見てないの?」
「見てない。雨降ってきたから気になったけど帰った」
「よく好奇心の塊の啓人が見に行かなかったね」
「俺雨嫌いだし」
「理由ガキくさっw」
「は?第2ラウンドか?」
「やってみろよざ〜こw」
「かっち〜ん!今回はまじでキレたは表出ろやボケぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「口でかっち〜んって言うやついねぇよば〜か!後ここが表だっつってんだろ鶏頭がぁ!!」
「はぁ…まじでうるさい…」
再び始まった2人の罵りあいに頭痛がするのを抑えつつ、悠太は喧嘩が終わるのを待った。
「終わった?」
「ぜぇ…ぜぇ…はぁ…」
「はぁ…はぁ…今日のところは引き分けにしといてあげる…」
「はぁ?俺の勝ちだろ」
「んだともう一回やるかボケぇ!」
「はいはいそこまでにして、行くならさっさと行かない?その凄いところ。」
「おぉ…そうだった。忘れてたわ、わりわり。」
「鶏頭ボソッ」
「くっそガキがぁ…」
「てめぇだよクソガキはァ」
「こいつら駄目だ…仕方ない…」
悠太はとりあえず2人にげんこつを喰らわせて、その後ボコボコにすることにした。…言葉で。
「啓人。いつも言ってるけど君沸点低すぎ、そんなんじゃ肝心なところを見逃して足元掬われるよ?君の想像する世界を牛耳る魔王様はそんなダサいことしてる訳?」
「いや…それは…」
「怒ってるときは怒ってるときとして通常時でも流石に頭を使わな過ぎ、君地頭は良いんだからちゃんと考える癖付けときなよ」
「……おう。」
「次紗耶。君はすぐに人を煽り過ぎ、そして暴力で解決出来ると思い過ぎ。こんな広い世界なんだから上には上が居るものだよ、そんなことしてちゃいつかやり返される、もっと上手くやりな。」
「……分かった…ごめんゆーちゃん…」
「さて、喧嘩はこれで終わり。僕ももう怒って無いし、そろそろ行かない?」
「おう、そうだな。じゃあついて来てくれ」
「わかった」
「は〜い…」
正論パンチで溜まっていたストレスとともに相手の精神もぶっ飛ばしたところで、3人で啓人が見つけた凄い場所とやらに行くことにした。
─1時間後
3人は山の中を歩いていた。この山はそこら中に木の根が生えていて、それが足に絡みついてくるのでとても歩き辛い。もし転んでしまったら怪我をすることは確定だろう。
「確かこっちで〜」
「…ねぇゆーちゃん。啓人に任せてるけど大丈夫?」
「何が?」
「啓人って…さっきの今で言うのも何だけどかなりアホじゃん?もう覚えてないんじゃないかなって…」
「う〜ん…でも啓人を見て?迷う様子すら見せて無いし、案外覚えてたりするんじゃないかな?」
「…確かに。じゃあ一旦安心して良さそう?」
「多分ね」
啓人に聞こえない用に2人でコソコソと話していると、突然止まった啓人が振り返り、その衝撃的な事実を告げた。
「迷った!!」
なんと啓人は反省した様子も無く、腰に両手を置いてドヤ顔をかましている。一方の2人はと言うと。
「「………」」
流石のアホさ加減に2人して何も言えなくなっていた。が、悠太がなんとか正気を取り戻し、尋ねる。
「迷ったって…どうするのさ、君しか道を知ってる人は居ないんだよ?」
「そーよそーよ!どうするの!」
その後こちらもなんとか正気を取り戻した紗耶も啓人を責める。そんな2人に対し啓人は
「まぁ歩けばいつか着くだろ。皆で出ろ〜って祈りながら歩くとかさ」
「どこかの民族の儀式か」
「もう最悪!あんたちゃんと道覚えときなさいよあんぽんたん!!」
「はぁ〜!あんぽんたんじゃねぇし!なぁ悠太!」
「ごめん。流石にこれは庇いきれない」
「………すいません。」
悠太にすら見放されてしまった啓人は、流石にこれはまずかったと謝罪した。
「まあでも実際そうするか、山を登るしかしか無いと思うな」
「えぇ〜登るの〜?」
「何で登るんだ?もう降りようぜ〜」
「じゃあ聞くけど啓人。帰り道覚えてるの?」
「………」
「ちなみに僕は君の後をついて行ってたから、帰り道は覚えてないよ?森の奥深くっぽいし。」
「私もちょっとしか…」
「つまり今は遭難してる状態。遭難した時は山を登った方が良いと言われてるし、頂上からだったら探してるところ見つかるかも。」
「お〜!良いじゃん!ゆーちゃん天才!」
「おう…登るか。」
ということで3人して遭難したため、山を登って探すことにした。
「う〜…虫がぁ…」
「紗耶ビビリ過ぎじゃね?w」
「嫌いな物は嫌いなんだから仕方ないでしょ!殴るよ!」
「…はぁ」
その時、2度目の頭痛に頭を悩ませながら歩く悠太の目に何かが映った。
「ん?…あれって…」
「んお?ってあ!あれだよあれ!探してたやつ!行こうぜ!!」
「ゆーちゃんの言った通りだったね〜」
「ん、まあね」
「おーい!早く来いよ〜!」
先に1人で走って行ってしまった啓人を追いかけ、その場所に向かう。
「これは…」
「神社だねぇ〜ボロボロだけど」
「な?すげぇだろ」
「うん、これはなかなか…」
「凄〜い…あ、皆見て。中に何かない?」
「ん〜こっからだと見にくいな!中入っちゃおうぜ!」
「よし!行っちゃおー!」
「やめておいた方が…って行っちゃったし…まあ良いか。こんなボロボロだったら管理してる人も居ないでしょ。」
好奇心を抑えられずに走り出した啓人と紗耶
悠太は達観していると言ってもまだ小学生。内なる好奇心には逆らえないのだ。大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせながら2人の後を追った。
「うぉ〜…なんか…キレー」
「これ…石?不思議な感じがする…」
神社の中にあったのは、サッカーボール程の大きさをした丸い石だった。石の周りには縄が巻かれ、それにお札が貼ってある。
「神社にあるんだし、特別な物だろうね。お札とか貼ってあるし…もしかしたら何か封印してたりするのかも」
「えー!凄い!かっこいい!」
「これ…触っても大丈夫かな」
「ヤバそうだけど…気になるね…」
「ちょっと触るくらいなら大丈夫じゃない?」
山の中・神社・封印
心躍るワードに頭をやられた3人は、石の縄を解いてみることにした。
「取れた。硬かったー!」
「うーん、ただの綺麗な石みたいだねぇ…」
「なんで山の中にあるんだろう…」
「そりゃかっこいいからだろっ!!」
「というか何で僕は縄を解いてみようなんて思ったんだ?止めるべきだったのに…不法侵入だし器物破損だし…見つかったら絶対怒られるぅ…」
「ゆーちゃんしっかりしてっ!今から縄戻せばバレないよ!」
「…そうかなぁ…」
特に何もなかったことにがっかりしたやつが2人、縄を解いたことを後悔しているのが1人。それぞれの反応をしていた。
──その時。
「えっ?」「なんだ!?」「う、動いて…」
突然ガタガタと小刻みに石が動き出した。
次に、耳をつんざく様な不快な音とともに眩しい光が溢れだした。
溢れた光は3人の姿を包み………
そして─
目が覚めると、真っ白な部屋に居た。
────────────────────
どもども。たまに息抜きで投稿する用の作品を書いてみました。もしこっちが好評だったら続けるかもしれないですけど、基本は不定期で投稿していきます。
それではまた
〈キャラ紹介〉
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