異世界来たので魔王の大陸統一手伝います。
田んぼの左上
第1話「最強騎士団の鼻っぱし折ってみた」
俺は正義が嫌いだ。勝ったから正義を語ってるだけの中身のない薄っぺらい野郎どもばかりが正義を語る。たまたま勝っただけなのに、正義は必ず勝つと語る。そんな正義は正義ではない。正義なんて存在しない。ただ残酷な歴史の幕開けをするための赤い嘘で固められた誰も思っていない大義名分なのだ。
ーーー人魔大戦西部戦線
ここに人類の滅亡を決定づける存在が舞い降りた。名をエスカトンと名乗り、魔王軍に加入し、新たな作戦を進言した。その結果人類の最高戦力が集結した東部戦線で敵軍を壊滅状態に持ち込み、魔王軍の領土拡大に貢献し、魔王軍参謀知略のエスカトンと呼ばれるようになり今までの戦況がひっくり返ることとなる。
2ヶ月前、俺こと山本次元改めエスカトンは元々戦争中のアルカディアという世界の軍師だったが、なぜかこの世界にやってきた。この世界の創造主である主神アメヅノミコトは魔族がありもしない罪を吹っかけられて内陸の荒地に追放された挙句、発展してきたところを人類が総出で討伐すると宣言、魔王国を囲う6国は連合を結成、連合国とし、魔王国を滅ぼそうとした。しかし平和主義であった魔王軍は防衛力に特化しており、戦況は拮抗した、そのタイミングで俺が降臨、と同時に連合国各国に計6人の勇者が誕生、それを助けろと信託を受けた、エルフ族、ドワーフ族、獣人族の代表と勇者で勇者パーティーが結成、軍を率いて魔王を討伐するために出発。
俺は3日森を彷徨い疲弊した小隊を発見。最初は人間だという理由で警戒されたが創造主からもらったペンダントを見せると信用してくれた。
どうやらこの小隊は東部戦線で戦っている魔王軍四天王イカロス側右翼ローラ軍鬼隊と呼ばれる100人ほどの軍であった。
この軍は人間軍左翼のトーマス軍を迅速に倒すために選ばれた精鋭たち、しかし敵は自軍の10倍だったため急いで撤退して作戦を考えているということだった。
作戦といっても魔族に頭のいい種族は少ないしその頭のいい種族もほぼ絶滅が危惧されている種族ばかり、このような小隊には力だけでどうにかできるという偏見が強く軍師をつけてもらえなかったそうだ。
結論から言えば俺は彼らを勝利させることにした。まず地図を見せてもらいトーマス軍の進行するルートを教えてもらった。
まずトーマス軍はダクロム平原を超えてアルメニア渓谷に入るという。その渓谷を突っ切りイカロス軍本陣を叩くそうだ。俺はまず軍の編成を教えてもらった。魔導部隊が20名、弓兵部隊が20名、歩兵隊が30名、騎馬・騎竜隊が15名ずつだ。
まず俺は渓谷の両方から谷底へ岩を落とせるように魔導士に岩を作らせいつでも押し出せるように歩兵を配置、少し応用が必要だと言われたが隠蔽魔法で騎馬と騎竜を伏兵として配置。弓兵は谷の上で一旦待機、合図と同時に山を放つ。この作戦でトーマス軍が来るのを待った。
2時間後、予想通り余裕そうな顔で渓谷を歩いている。魔族がバカだとたかを括っているのだろう。しかしそのお陰でこの作戦の成功率は格段に上がっている。定位置に着いたら前後を岩で防げるように右端と左端を立たせた、ギリギリまで待った。
「いまだ!」
谷底で袋の鼠と化したトーマス軍はいきなりの敵襲にパニックになっている。人間はパニック状態から冷静になるまで最低2秒かかる。ならば新たなパニックになる要素を与えればいい。谷底に歩兵隊がたくまだの時間稼ぎをする。魔族は強靭だから谷を滑らせて投入する。まずは突然の落石でパニックになっているトーマス軍に矢を打ち込んだ。これだけでトーマス軍の3分の1、約300が削れた。
次に残っていた歩兵隊全てを使い岩を谷底へ落とした。その後も弓矢の攻撃を続けた。
魔導士は風魔法で砂を撒き散らし歩兵隊の接近を見せないようにさせた。この間我々が稼げた時間は8秒、しかし歩兵隊は全て到着、岩で囲まれた戦場を強靭な魔族の歩兵が荒らしている。
予測通りトーマス軍は岩を登り本陣の方へと突撃した。そこで魔導士の隠蔽魔法を解き、騎馬隊と騎竜隊をぶつけてトーマス軍を壊滅させた。
この戦いの後、貴重な軍師として魔王軍に迎え入れられた。
そして現在に至る。
俺の今の仕事はまもなくやってくるソジュー王国の最強騎士団ソジュリス騎士団を壊滅させることである。騎士団たちはその存在で軍の士気を上げ、トーマス軍の壊滅から学習し、安全な道で東部戦線の四天王軍マラニー軍本陣を目指して進行中出そうだ。戦場になる場所はドレイク平野だ。人間が最も本領を発揮しやすい場所。そこで俺はその一国の最強を殺さなければならない。
そこから5日後、騎士団とマラニー軍の布陣が完了した。今までなら魔族は乱戦状態にしただろう。が、しかし、今回は俺がいる。まずは騎馬隊、騎竜隊を先頭にし、鋒矢の陣を組ませ、後ろに歩兵隊を車懸かりの陣を組ませた。騎兵が突破口を開き歩兵の犠牲を少なくして相手の戦力を削る。この際弓兵は鶴翼の陣を組ませ、広範囲に矢を降らせ、弾幕を張る。魔法隊も同じように弾幕を作れるように同じ配置とした。
いざ戦が始まると、流石は最強の騎士団。連携が上手く、何処かが崩されてもすぐに修正してくる。しかし彼方は徐々に兵が減っていくが、こちらはまだ数十人程度しか傷が付いていない。あっという間に本陣へと到達した。将軍はオークの大戦士コリオール将軍。相手はソジュリス騎士団団長マイアミ、一騎打ちである。体格差でコリオールが圧勝した。お陰で騎士団の指揮は一気に下がり、敵はドンドンと撤退していった。こうして俺は功績をつみ自分の私兵を持つ事を許され、北部戦線に配置された。
次回「敵国モントリオール攻略開始」
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