コードメモリーあなたの記憶を共有します

優薔薇

第1話コードチェーン

【コードチェーン】細くて透明な糸。その糸を人の肌と自分の肌に

 接触させると、人の記憶が自身の脳内に入り。その記憶を

 共有してしまう。一体、誰の得になるのわからない。

 品物だ。でも、もしその糸で自分には理解できない。

 他人の考えている事が、少しでもわかるのなら。

 それは、とてもイイ物なのかもしれない。

「どうだい。お嬢ちゃん」古く汚れたローブを身に纏う。

 一人の老人が、目の前で【コードチェーン】を手に持ち。

 彼女の前に差し出している。「人の記憶を自分も見る事が

 できて。自分自身も、記憶を元に相手の事をわかる事が

 できるんだ~」胡散臭いしゃべり方を彼女は、無表情で聞く。

 黒髪ロングの彼女。「共有した。記憶を元に、自分自身には

 なかった。新たな自分になりたとは思わないかい?」不適な

 笑みをこちらに向けてくる。老人に、黒髪の彼女は

 平坦な言い方で、口を開いた。「どんな記憶でも、共有

 できるの?」黒髪の彼女が、老人に尋ねる。

「あぁ、もちろんさぁ。嬉しい記憶、悲しい記憶、

 腹が立つ記憶。どんな記憶も見放題だよ~」大きく手で

 上下に振る。老人に、黒髪の彼女は「おいくら?」

 と聞くと。老人は「タダでいいですよ」と答える。

 「本当にイイの?」黒髪の彼女が小首を傾げる仕草をする。

 「あぁ、もちろんだよ。ここだけの話。他に欲しいって人が

 いなくって・・・・・・みんな他人の記憶になんかに興味が

 ないってさぁ」両肩を深いため息をこぼす。「だから

 このコードチェーンをお嬢ちゃんにあげるよ」老人が

 黒髪の彼女にコードチェーンを彼女に手に置いた。

 その透明な細い糸が、日光にあたり。キラキラと輝くように

 見えた。「お嬢ちゃん。お嬢ちゃんに、素敵な記憶が脳に

 残りますように」そう言って。汚れたローブを着ていた。

 老人は、黒髪ロングの彼女の前から姿を消した。

 黒髪ロングの彼女は、その糸を親指と人差し指で摘まみ。

 その糸を深々と観察をする。「これで、私にもわかるのかな。

 人の感情について・・・・・・」黒髪ロングの彼女の名前は

 アイ・アシモフ。無表情な彼女は、幼い時から。

 人の感情欠落していて。とても悲しい彼女の話である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る