第14話 帰りが遅いっ! お母さん!
足音(SE)
「遅い……」
少し早い足音(SE)
「遅すぎる……」
早くなる足音(SE)
「何かあったのかしら……」
「残業? でも働き始めて10ヶ月ぐらい経つけど、一度も残業があったことなんてないわよね……何かトラブルでもあったのかしら……もしかして!」
「働いてる最中にあまりにもお腹が空いて、お店の惣菜を食べちゃったとか? それか、新商品の菓子が美味しそうで袋を開けて食べちゃった?」
「! サーロインステーキを店内でバーベキューしちゃったとか!」
「そんなことしたら一発でクビになっちゃうじゃない! はっ!」
「もしかして帰り道に事故にあったのかも!」
「あぁ! もう! 心配! 電話しても出ないし! はっ! 警察に連絡した方がいいかも! こういう時はポリスメンが一番よね!」
ドアが開く音(SE)
走る足音(SE)
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! よかったぁぁぁぁぁぁぁ!」
「なによ! 急に抱きつくなって? そっちが悪いんでしょう! 遅くなるなら遅くなるで一本連絡入れて頂戴! お母さんすごく心配してたんだから!」
「今日の朝、仕事に行く前に遅くなるって言った? え? そうだっけ? ででで、でも、電話しても出なかったじゃない! スマホが壊れたから修理にお店に行くから遅くなるって言った? そうだっけ……」
「はーっ……でも何もなくてよかったー……お店でサーロイン焼いてないわよね? ごめん、こっちの話……」
「朝の忙しい時間に言われても忘れちゃうから、これからは簡単なメモでもいいからテーブルに置いておくようにしてね」
「それじゃあご飯にしようか……どうしたの、モジモジして?」
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