夢シーソー

いつか寄った公園 桜並木を歩いた

水飲み場横の砂場 隅っこに置かれた 錆びたシーソー


外を通る車の音 夕焼け空繋ぐ飛行機雲 世界が滲んでく


僕が乗ったシーソーは 君の重さの分だけ傾いた

震える声で 君に伝えた夢 赤く染まった雲間に消えてった

僕の声は 届いてた?


夕暮れの公園 遠くでキャッチボール

滑り台を降りた横 一人で乗ってた 古びたシーソー


足下見れば汚れた靴 途切れ途切れの飛行機雲 世界が揺らぐ


君が乗ったシーソーは 僕の重さの分だけ上がってった

涙声で 君が伝えた夢 暗い空へと消えてった

君の声は 聞こえてた?


君の両足が 地面蹴った 僕の両足も 地面蹴った

シーソーは傾く 右に左に 君に僕に 同じだけ


僕が乗ったシーソーは 君の重さの分だけ傾いた

大きな声で 僕等が伝えた夢 一番星の向こうへ消えてった

あの夢は 届いてた?


シーソーは傾いてく 夕焼けが終わってく

僕等の声は続いてく ずっと ずっと 続いてく


右に少し 左に少し


僕の分と 君の分だけ

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