受信記録

鳴り続ける携帯電話置いて たまにはって フラリ一人散歩

咲き始めた公園の桜の木の下通って いつもの道歩く


小さい頃遊んだ場所見ては あの頃の記憶が呼び掛ける


変わらない町の景色 通り過ぎてく時の色

忙しさが溢れて鳴り止まぬ携帯

あの日と何かが変わってしまった


数年間過ごした八畳間の窓 遠くの街並み 好きな景色

夕方のベランダに出て飛行機雲に繋ぐ 明日は雨


大きくなるにつれて薄れてく あの日の記憶が繋がってく


町は変わらず賑わう 忙しさに紛れ過ぎてく

受信記録に残った過去の名前

変わってしまった景色歩く


家の裏の田んぼ道歩いて 僅かな春の気配感じる

都会に引き寄せられ憧れて 少しだけ爪先立ち

思い出の場所回って またひとつ 記憶から消えてく


片隅に置いた携帯は 何処に置き忘れたんだっけ


町は忙しく通り過ぎる 少しずつ薄らぐ時の色

今日もメールで意見の押し付け

あの日見てた昨日の僕


町はいつしか表情変えて 忙しい俺に呼び掛ける

鳴り止まぬ携帯電源OFF放置

まぁいいかって今日を歩く

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