試練の森編

おちびの居場所

※このお話しは前半は本編と内容が被る部分があります。


 ボクは生まれた場所から一部の兄弟達と一緒に卵の時にぬすまれたんだって。幻獣のお兄ちゃんが、一緒にさらわれた妖精さんの助けを呼ぶ声を聞いて探し出してくれて、ご主人がボクたちの意見も聞いてくれた森へ連れ帰ってくれたんだって。

 ボク以外にも卵があって、同じ様にパパとママのところに帰りたいって思って迎えが来たけど、ボクはパパかママのどちらかがボクの兄弟を取り返した時に傷ついて死んじゃったから来れないって言われちゃったの。無事で良かったって言っていたよと言われたみたいだけど、迎えが来ないことがショックで捨てられちゃったって思って悲しかったの。

大精霊様がボクに育てのおやっていうのを探してくれるって言ってたらしいけど、もう何も聞きたくない!って思ったの。

 ボクはその時は卵の中だから何も出来なくて、温めてもらえないと冷たくなって死んじゃうから、早く冷たくなって全部忘れたいって思った。捨てられたんなら卵から生まれない方がいいって思ったから。

でもずっと温かくしてくれる何かがいて、幻獣のお兄ちゃんが一生懸命話しかけてくれたの。その何かは『もうふ』でその上からご主人が抱いてくれてたんだって。

 くり返し誰かが話しかけているのを感じたの。でも最初は何を言っているか分からなかったけど、大丈夫って言うのが聞こえた気がしたの。

 だんだん外がちょっとだけ気になった。そうしたらご主人が抱きしめてくれてて、幻獣のお兄ちゃんも舐めて慰めてくれてた。捨てられて悲しかったけど、ほんのちょっとうれしかったの。

 幻獣のお兄ちゃんも一人だったんだって、だからボクのお兄ちゃんになってあげるから一緒に行こうって言ってくれたの。ご主人もそう言ってるよって教えてくれたの。それからボクたちは兄弟になったの。嬉しくなったら疲れたって思って、温かいから眠くなっちゃった。ボクが寝ている間に幻獣のお兄ちゃんは名前をもらったんだって。


 森からご主人の家に行ったらたくさんのお兄ちゃんとお姉ちゃんが待っていたよ。ずっとお兄ちゃんの誰かが温めてくれて、時々ボクのベットのカゴでお姉ちゃんが温めてくれた。

 生まれてからもずっとお兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒。

そしてボクはご主人と一緒の時はお腹にある『ぽけっと』という場所にいるんだよ。

 もう少し大きくなったらどこにご主人の一緒の場所にしようかと考えると楽しいよ!


ボクの居場所はご主人と『しゅぞく』っていうのが違う、とっても大きいお兄ちゃんたちとお姉ちゃんたちのところなの。






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