第一章15話『天掌燁』
そして肉体許容量を大幅に超えたマナは次第にその身から溢れ出し、常時放熱しているような何とも
その様子に
「あんた……」
「
――――この時、
とはいえタイムリミットである十分間耐え凌げないことも同時に直感していた。
いや、少し過去に遡るならそもそもこれまでの二人の攻防は互いに拮抗していた。
しかしあくまで
対して
それ故に、彼女は今後の展開が
しかしその一方では口頭でだが誘導された
「お願い、当たって――!」
少女が決意を乗せて空へと送ったスカーフには
≪ウチが発生させる
スカーフに施された刺繍の通りに従い、
体質変化によって獲得した
「これでいいんだよね? お姉ちゃん、私も少しは役に立ったかな」
そして再び場面は二人に戻り、
同時に流水による攻撃も試みるが、彼女が与えた流れが
そんな彼女と同じく
「何かしたな? お前が動いてねぇのを見るに
「相変わらず
帯熱状態とはいえ一切衰えない、彼女の並外れた感覚に思わず関心を示す
水が肌に触れていない
一言で言ってしまえば彼女は
――――しかし、そんな彼女は
感情欠如の欠陥人間。
ひとたび使用すれば最後、諸刃の剣な
「なぜ生まれたての
「ウチにはウチのやり方があるんや、あんたにとやかく言われる筋合いはないで」
「ああそうかよ、なら後継共々仲良く死んでな!!」
好転したかに思えた状況だったが彼女もまた、
「詰みだぜ、
懐に潜った
その際に掌から
予め塗布された
すると彼女が発生させた
落下した水は波紋状に流れると周囲の木々に燃え移った炎を一瞬で鎮火していき、燃えカスも燃えずに残っていた木々も全部もれなくまるで流木のように押し流していく。
「えっ、うそ?! お願い止まって――――!!」
そうして押し流された流木及び高波はあっという間に
思わぬ飛び火、いや、飛び火ならぬ飛び水が来てしまい、少女は咄嗟に召喚した矢を打ち放つと押し寄せる高波のような水を一瞬で凝固させていく。
一方で水が緩衝材になったこと、そして再び落下した最小限の衝撃で意識を取り戻した
彼女はうつ伏せのまま自身を中心に水を発生させようと試みるが、直前の攻撃によって自身が身に纏う保湿は効力を失い、さらには左腕欠損という不安定な肉体では
同じく起き上がった
そんな彼女は徐々に灰と化していく自身の体に目をやると、満足そうな笑みを浮かべながら地べたで藻掻き苦しむ
「はぁ…はぁ……。お前との勝負、悪くなかったぜ。あたしと
皮膚どころか腕を根こそぎ
をよそに
長くも短い戦いの余韻に酔いしれながら、一人楽しそうに会話を続けている彼女だが一方の
いや、マナを使用することに全神経を注いだ末に力尽き、会話にかまける余裕がないのだろう。
……と、思われていたそのとき――――。
「――――死ぬが故の油断やな、生憎やけど共倒れは御免やで」
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