ジャスティーフォース〜レジェンドヒーローウォーズ〜

山ピー

第1話「ヒーロー大戦序章」

ジェットホークは雲を突き抜け地上に向かって降下していた。

「何故だ……何故こんな事に……」

そこに襲い掛かる影。

「おりゃあああああー!!」

ジェットホークに襲いかかったのはクロスセイバーだった。

「くっ……」

空中で激しく激突する2人。

「空を飛べるのはお前だけじゃ無いんだよ!!」

「辞めてくれクロスセイバー!!俺達が戦う必要なんて無いだろ!!」

「いや、ある!!俺達の世界を救う為だー!!」

クロスセイバーの渾身の一撃でジェットホークを地上に落下させる。

「ぐあっ!?……アイツ……無茶苦茶しやがって……」

地上に落下したジェットホークは大ダメージ。

しかし、何故ジェットホークとクロスセイバーが戦っているのか……。

それは3日前に遡る。


3日前ーー


この日もジェットホークこと、鷹井 新斗(たかい あらと)は柊 葵(ひいらぎ あおい)と共に飛行訓練をしていた。

「今日は天気が良くて気持ちいいですね〜、絶好のフライト日和ですね」

「あのね……飛行訓練中よ?たるみすぎ」

「すみません……」

「プッ……」

葵は思わず吹き出す。

「ん?どうしたんですか?」

「ごめんごめん、鷹井君、それだけ余裕が出て来たんだな〜と思って」

「え?」

「入隊した頃はまだガチガチだったから、それに比べると成長成長」

「ちょっ、からかわないで下さいよ。手元ブレるじゃないですか」

「でも、気は抜いちゃダメよ」

「了解!もう少し高度上げますね!」

「オッケー」

その後も飛行訓練は順調に進み、この日の訓練は終了した。

基地に戻ると岩城隊長が来ていた。

「鷹井、お疲れさん」

「隊長!お疲れ様です!」

新斗と葵は敬礼。

岩城も敬礼で返す。

「鷹井、矢木博士に呼ばれてるんだが、一緒に来てくれるか?」

「!何かあったんですか?」

「いや、そういう訳じゃないらしい。葵、君もよかったらと博士が言っていたぞ」

「私もですか?」

「なんでしょう?」

「さぁな……とにかく、今日終わったら行くぞ」

「了解!」


その夜、3人は矢木博士の研究所に向かった。

「皆、良く来てくれた」

矢木博士は3人を招き入れると早速お茶菓子を用意した。

「ささっ、まずはお茶と羊羹でも食べてくれ、親戚から美味しい羊羹を送って来たんだ」

「は、はぁ……」

「あの……矢木博士……今日我々を呼んだのは?」

「ああ、実は気になる事があってな……」

「気になる事?」

「うん、昨日異常な空間の歪みを探知してな」

「空間の歪み?」

「ああ、それで私の専門では無いから知り合いの学者に聞いてみたんだ。そしたら……」

「そしたら?」

「通常では考えられない現象が起きていると……宇宙科学の話に関わるが多次元宇宙論と言うのは聞いた事あるかな?」

「確か……宇宙がいくつもあって、無数に世界が広がってるって考えでしたよね……良くSFの映画や小説に出てくる」

「そうなんだ。この空間の歪みは別の世界と繋がろうとしている証拠かもしれん」

「凄い!!そりゃあノーベル賞物の大発見じゃないですか!!」

「そう喜んでもいられないんだよ……もし別の世界と繋がるなんて事があったとしたら何が起こるか分からんからな……」

「そっか……もし別の世界があるならそこから何か来るかも知れないんですもんね」

「何か……私達には到底理解出来ない話ね……」


その頃……。


スカーはビートの世界で契約したルシウスの力を引き出していた。

「フフフッ……ルシウスの力で平行世界を繋げられるとはな……流石は悪魔の力だ……」

そこにブラウがやって来た。

「兄貴、いよいよですぜ……」

「フンッ……さぁヒーロー共、お互いの世界を守る為には戦いあって最後まで生き残るしかないぞ……」


スカーの策略により、お互いの世界の消滅を賭け、ヒーロー同士が戦う事態に陥ってしまっていた。

ガイオーVSエクスライザー。

「ったく……なんでこんな事に……」

「仕方ないさ……世界を守る為だ……消えて貰うよ!!」

エクスライザーがガイオーに攻撃を仕掛ける。

「ぐあっ!?てめぇ!!」

ガイオーが反撃。

しかし、エクスライザーは『ミラージュキー』を使い自身の幻影を作る。

「チッ……なら片っ端から消し去ってやる!!」

ガイオーは『パラディンソード』を手に必殺技『パラディンブレイク』を放つ。

「なっ!?チッ……」

全ての幻影を消し去った。

「どうだ!」

だか次の瞬間、エクスライザーは背後からガイオーを銃撃。

「ぐわっ!?」

「油断し過ぎ……悪いけど消えて……」

エクスライザーは必殺技『エクストリームバースト』を放つ。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

ガイオー消滅。

「悪いね……じゃ!」

エクスライザーは去って行く。


そしてこちらでも……。

ドライガーと星影が戦っていた。

「ぐっ……なんでこんな事になったでござる?」

「知るかよ……俺に聞くなよ」

「しかし……状況が状況と言え……武士として真剣勝負に手は抜けんでござる!!」

星影がドライガーを跳ね除ける。

「うをっ!?やる〜……んじゃそろそろ本気で……」

ドライガーは『フォースドラゴン』にチェンジ。

「そう来るか……なら拙者は!!」

星影は『獄炎武装』

互いに強化形態となり激しく激突。

「悪いな……俺達の世界の為に負ける訳には行かないんだー!!」

「それは拙者とて同じでござるー!!」

ドライガーの必殺技『ドラゴニックドライブ』と星影の必殺技『奥義·業火一閃』が激突。

「ハァ……ハァ……」

勝者は……。

ドライガー。

「勝った……」

世界の命運を掛けヒーロー達の激しい戦いは続く……。


その頃、新斗、葵、岩城、矢木の4人は空間の歪みについて調査していた。

「本当にこんな事で何か分かるのかよ〜……もう疲れたよ〜……」

「そうね……まだ科学的証明も出来ないし時間の無駄かもね……」

「博士、申し訳ないがこれ以上は……」

「仕方ないな今日はもう遅いし……またにしよう」

「ですね。鷹井、柊、帰るぞ」

「良かった〜……解放された〜……」

この日は解散。


翌日、新斗は戦闘機に乗りパトロールをしていた。

「東京上空本日も異常なし!」

「了解、帰還せよ」

だが、そこに異常が発生。

「何だ!?」

すると突然空間の歪みが裂けた。

「これは……」

空間の裂け目から何かがこの世界にやって来た。

「隊長、異常事態発生!!空間の裂け目から何かが地上に落下!調査に向かいます」

「何っ!?待て鷹井!!」

だが、新斗は地上に着陸し、やって来た何かを探す。


「確かこの辺だよなぁ……」

辺りを捜索していると、倒れている人影を発見。

「あっ!大丈夫ですか!!」

新斗がその人影に近づくと倒れていたのは1人の男だった。

「この人は……一体……」

その男はオビトだった。

「おい!大丈夫か?しっかりしろ!!」

新斗は必死に呼び掛けるがオビトは目を覚まさない。

「ダメか……とにかく病院に……」

新斗はオビトを背負い戦闘機に戻る。

だがそこに……。

何者かが攻撃を仕掛けて来た。

「うわっ!?」

足元を攻撃され新斗は転んでしまった。

「クソッ……何だ?」

振り向くとそこに居たのは……。

謎の大男だった。

「貴様、何者だ!?」

新斗は尋ねる。

しかし、男は答える事無く怪人態に変身。

その姿はアンキロサウルスの姿の怪人だった。

「何だコイツ……」

新斗はゆっくりと立ち上がり構える。

新斗は『J−ウォッチ』に手を掛ける。

「フンッ、変身か。来るがいいジェットホーク……」

「!!コイツ……俺の事を知ってるのか……?」

新斗はジェットホークを『装着』

ジェットホークがアンキロサウルス怪人に戦いを挑む。

しかし、アンキロサウルス怪人は硬い鎧の様な皮膚に覆われジェットホークの攻撃を受けても微動だにしなかった。

「くっ……硬い……」


続く……。

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