第20話 ポンコツロボ操縦

 万有をイカれた金髪野郎から助けるため、ためらう事なく魔法発動した吹雪は、自分の体の調子を気にすることもなく、ぼーっとしている万有のことを心配して、 声をかけた。


「ねえ万有。 大丈夫 聞こえてる。」

「ハイ ダイジョウブ アナタハ ダレ」

万有はロボットのように返事を返す。


「吹雪、吹雪。本当に。意識は……? クソッ!」

「ブブキ・ブランキ ホンタントウ イシイハ クソ!」

万有は詠唱の事で頭がいっぱいで、脳のほとんどが 、それを考える事に使われているため、それ以外の処理ができずに、オウム返しで対応していた。


『これはチャンスだわ、 今の万有は何かを考えることに夢中で、全然頭が回っていない。きっと、今の彼は3歳以下の赤ちゃん だわ。何でも言うことを聞きそう。これなら好きにできる。』


「いい万有。私はあなたの主人です。今から命令します。ちゃんと言うことを聞きなさい!」

「ハイ ゴシュジンサマ」


万有は素直に言うことを聞いた。


「まずは土下座をやめて、まっすぐに立ちなさい。」

「ハイ ゴシュジンサマ」


返事はするが立ち上がらないので、 吹雪がまっすぐ立ち上がらせてやった。難しい言葉には対応できないようだ。


「痛い痛い。 今になって魔法の反動が来て、頭が割れそうになって立っていられないわ。 すまないけど万有あなたの肩をかして。」

「ハイ ゴシュジンサマ」


いつもの万有なら、吹雪が肩を回せるよう背の高い 万有がしゃがんであげるが、

突っ立っているので、自分の方から背伸びをして左手を彼の肩に回した。


「ダメ、 頭が痛くて肩に手を回しただけじゃ、体がずれ落ちそう。私のおっぱいを、あなたの手で支えるわね。」

「ハイ ゴシュジンサマ」


吹雪は自分の手で、万有の両手のひらをもっ

てブラジャーをするように、 自分の胸に器用に装着した。万有の手のひらブラカップは、オーダーメイドのように、ぴったりと彼女のおっぱいに吸い付いついた


「おててを、にぎにぎしながら、うえに、したに、ゆっくりうごかしまちょうね。」

「ハイ ゴシュジンサマ」


今度は万有が命令に従い、 すごくいい感じで吹雪の胸をもみしだいた。


「さあ、あんよで、あるきまちょうね。おうちにかえりまちょう。」

「ハイ ゴシュジンサマ」


今度も万有が命令に従い、 吹雪のおっぱいをにぎにぎしながら歩き出した。


女性用のピンク色のハンドバックを肩に掛け、健康サンダルでペタペタ歩きながら、彼女らしき女性の胸を、もみしだく大柄な男と、嫌がるどころか積極的にイチャつく美しい女のカップルは、誰の目にも異様だった。


通行人たちは、顔をしかめたり、子供の目をあわてて隠したり、汚いものを見るように顔をそむけたが、2人とも別々の理由で全くそんなことは気にならなかった。


吹雪はよほど、魔法の反動が苦しいのか、

顔は赤くなり、汗がほと走り、ハアハアと荒く肩で息をしている。何度も小さくウッとうめき声を立てている。


柔らかかった胸は、魔法の反動で激しく充血して、ゴムマリのように固く膨らみ、特に敏感な先端部は石のようにガチガチになっていた。


「ハアハア、すごくきもちいい。もっときもちよくちなさい。ウッウッ、ぎゅうぎゅうにぎにぎ。おててをくりくりまわちて。うえにしたにおいっちにーさんし。」

「ハイ ゴシュジンサマ」


命令が非常に適切だったため。万有はとてもいい感じに、吹雪をすごく気持ちよくさせ、魔法の反動から来る苦しみをやわらげてあげた。


『いけない。天川ビルの近くまで来てしまった。もうすぐいけるのに。このままビルにいくわけにはいけない。なんとしてでもいかないと。いくいく。もう近くまで来てる。』

魔法の反動が激しく、 吹雪の頭は完全に混乱していた。


「ハアハアハアハア、ぜんたーいとまれ。あしぶみ。いちに、いちに。」

「ハイ ゴシュジンサマ」


吹雪がケモノのような叫び声を発するまで、天川ビルの近くで二人は足踏みを続けた。


その間、吹雪の股間で飼われているウサギは、一人だけで楽しんでいる吹雪に、ずっと不満で後ろ足で吹雪の下腹を蹴り続けていた。


やっと万有は詠唱の結論を出し正気に戻った。

不思議な事にビルの前にいた。


吹雪は生まれて初めて経験した感覚に、大変な満足を覚え、とてもスッキリした顔で言った。「さっ。もう、お店の前だよ、マスターからスマホを受けっ取って部屋に戻ろっ。」













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