月は発情期 俺は発蒸気 指定防衛団雪組〜地球の俺は天体衝突で死に、異世界現代に転生しました〜
岡田 闘志王
雪組誕生
地球が異地球に転生
地球は生きていた
地球が死んで、太陽系は今までに無かったほどに静かだった。
「ねえ居ますよね。居るって言ってください。
分かってますよ。見えてます。私にはわります。もういいですから。早く出てきなさい。怒りますよ。 いい加減出てきなさい。」
はたから見れば、どう見ても霊が見えちゃう 危ない人にしか見えない、ひとりごとをずっと大声で叫んでいるのは、女性神の太陽系神。
「うーん、やっぱりあなた 見えちゃう人ですか?」
聞き覚えのある声でからかうような返事が帰ってくる。その声の主は地球。正確に言えば、元地球だった。
「性格は死んでも変わらないようですね。あなたの霊気が、まだちゃんと残っていたのは本当にうれしいです。」涙声だ。
実際に太陽系神は、女性神の中でも特別に優しい。きっとこの神様でなければ、ここまでガマンしてくれてなかっただろう。
「恐竜コレクションの事は本当にごめんなさいね。大切にしていたものを壊してしまった。」
太陽系神は優しく言った。
「いえいえ、感謝しております。
あれが作れたのは太陽系神様のおかげです。実を言うと魔法が使える恐竜が、そのうち出てくるんじゃないかと、人間を生み出さずに粘ってました。恐竜って見た目が素敵ですからね。」
元地球は嬉しそうにそう言った。
「本当にあなたの事は、可愛く思っていました。これから、このまま太陽系が、どんどん静かに寂しくなるかと思うとつらいわ。そこでお話しがあります。異地球に…、チッ!」
よほど腹にすえかねているのだろう。異地球と言うなり太陽系神は舌打ちをする。
「いやだ私ったら。ごめんなさい。あそこに人間として転生しませんか?あなたは動かずに、じっとしてられる様な地球ではありませんよね。」
「いいんですか、その話を信じても?。話がうますぎませんか。詐欺とかじゃないでしょうね。」
元地球は、はずむ声で答えた。
「かまいませんよ。もう太陽系神の支配圏内ですからね。転生させるぐらいはやってあげますよ。他の世界ではついでに、チート能力や魔法や魔法アイテムを平気であげちゃう神だって大勢いるんですから。」
「自業自得で死んでも、そんなのを付けてくれる神様がいるんですか。オプションサービスって必要のないものまで付けて、結局メチャクチャ高くつくんじゃないですかね?死んでから言葉に言い表せないほどの苦しみを永久に味わう事になっても嫌なんですが。」
「タダですよ。信じられますか?
そこまでして良く思われたいもんですかね。なんの見返りも無しにプレゼントして、そんなの、いい神じゃありません。いいカモです。
私はそんなに甘くはありませんよ。まずあなたは男性として生まれ変わります。男性は魔法を使えません。」
太陽系神は、おごそかさのカケラもなくペラペラと話し続ける。
「男女も人種も全員平等なんて、ふざけたポリコレ野郎の寝言は聞く耳持ちませんから!
そして、地球の記憶はほとんど失われます。地球サイズのそんな大きな記憶が……、ああ比喩的な意味で言うんじゃありませんよ。転生先の人間は、器の小さい男ですから、まあ所詮は男ですし全部は入りきりません。」
時代に逆行する問題発言を平気な顔で言いおえて、太陽系神はスッキリした顔で転生内容を伝え終えた。
「けーち、せめてなんかくださいよ。」
元地球は、すねたように言った。
「わかりました。地球といえば万有引力。それを地球パワーとして、あなたにあげましょう。
あなたが善行を積み人間として大きくなれば、さらに使える地球パワーが増えるかもしれません。
さー、口に出すのもうっとうしい例のアレにアレ人間として転生です。」
太陽系神はYESかNOか、返事を確認する手順をすっ飛ばして転生を実行した。
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