第19話
夜が深まると、外の雪は降り続け、静寂な冬の夜が一層深まっていった。温泉宿の部屋からは、雪の降る景色が窓越しに見え、白銀の世界が広がっていた。莉子と里子は、夕食を終えた後、温かい部屋でのんびりとした時間を過ごした。
「外の雪、すごくきれいだね」と、莉子が窓の外を見ながら言いました。里子も窓に近づき、ふわりと舞い降りる雪を眺めた。外の景色が一面の銀世界に変わっていく様子は、二人にとっても特別な体験だった。
「温泉に入った後に雪を見るのもいいね。なんだか、ほっとする」という里子の言葉に、莉子も同意した。「これだけ降っていると、ちょっと外に出たくなる気分だね。」
二人は温かい部屋の中で、リラックスしながら、窓の外の雪景色を眺めていましたが、ふと夜中に外の雪を使って紅茶を作りたいというアイディアが浮かんだ。
「そうだ、雪を使って紅茶を作ってみようよ」と莉子が提案すると。里子はそのアイディアに興味津々で、「いいね!それなら、一緒に外に出てみようか?」と答えた。外に出ることにした。
二人は温かい上着を羽織り、手袋をはめて、足元にふわりと積もった新雪を歩いた。雪はふわふわとしていて、足音がほとんど聞こえないほど静かな世界が広がっていた。莉子が両手で雪をすくい上げると、手のひらに乗った雪が一瞬で溶け始め、その冷たさが指先に伝わりる。里子も同じように雪を掬いながら、「この雪、すぐに溶けちゃうね」と言う。雪の降る中、手袋をはめた手で、ふわふわとした新雪を集め、雪を溶かして水を作る準備をした。雪が溶けてできた冷たい水を、小さなポットに入れ、二人は雪を集めて、雪が溶けていく様子をじっと見守った。雪が溶けるにつれて、透明な水がポットの中に満たされていった。冷たい水がぽたぽたと音を立てて溢れるたび、冬の寒さを感じつつ、温かい紅茶を作る準備が整っていくのを感じた。
その後、紅茶を淹れる準備を整え、二人は部屋に戻り。窓越しに降り積もる雪を眺めながら、紅茶をカップに注ぐと、湯気がふわりと立ち昇り、その香りが部屋の中に広がる。
温かい紅茶の香りが立ち上ると、窓際のテーブルに座って紅茶を楽しむ。外の雪が灯りに反射してキラキラと輝き、紅茶の湯気が優しく立ち昇る様子が、二人の心をほっとさせた。
「外で雪を溶かして作った紅茶、どう?」と莉子が訊ねると、里子は一口飲んで笑顔を見せた。「温かい紅茶と雪の景色、最高の組み合わせだね。こんなにリラックスできるとは思わなかったよ。」
二人は、温かい紅茶と雪の静けさに包まれながら、これまでの旅のことや、これからの計画についてゆっくりと話し合った。外の雪が降り続ける中で、二人の心もまた、温かいひとときに包まれていった。莉子と里子は微笑み。紅茶の温かい湯気と、窓の外に反射する雪の光が、二人の心を落ち着け、温かいひとときが流れた。
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