ま行

真夜中の、孤独な丘の、その上で、

ちらちらと、凍えて光る、星空を、

聞こえない、声を頼りに、進めども、

はぐれては、一人輝く、一等星。


ま「満天」



果てしなく、続く先の、その向こう、

積雲の、浮かぶ空に、伸びていく、

砂の舞う、真昼の荒野に、一人きり、

行き先の、行方も解らず、立ち尽くす。


み「道」



落ちていく、夕日の影に、逃げるよう、

瞬いた、星の数を、数えては、

果てしなく、続く空に、飛んでいく、

広大な、宇宙の果てに、響く声。


む「無限」



夏の日の、午後に滲む、夢のよう、

きらきらと、緑を揺らし、降り注ぐ、

焼き付いた、日差しに視界、揺らいでは、

まどろみの、憂鬱映し、歪む今日。


め「目眩」



古ぼけた、棚に積まれた、その中に、

消えかけた、埃だらけの、題名の、

綴られた、文字をめくり、進み出す、

忘れてた、物語ひとつ、幕開けの。


も「物語」

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