第8話 合流しました
「後は任せとけ! 俺達がちょちょっと行ってのしてくるぜ!」
オトクカンとフェイタールは、箱車を降りて
俺の方も黙って見ていられない。こういう時は投げナイフも
こちらに駆け寄って来たのは10人だが、2人はすでにメガシンデルのトンファーで叩きのめされていた。正確に言うと『ひのきの棒ガードマスター』だ。
「おらよ! ハハハハッ 手が全然痛くねえな。これ後で作り方を教えてもらいてえぜ」
オトクカンは相変わらず強かった。こいつは昔から
フェイタールはと言えば、1人の相手の頭部と振り上げた両腕をまとめて斬り飛ばしてから、もう1人の方は縦に割って仕留めてしまった。
長剣を
残りの4人については、3人が側頭部からナイフを生やして息絶えた。1人はクロスボウの
「終わったみてえだな……デコ、とっつぁんの所に行ってきな。マーちゃん、遺体と気絶してる奴らを回収して来ようぜ」
相手の人数は多かったものの、終わってみれば本当に
「ミサイルの効果は予測通りだったのだ。これなら小規模集団には最適だな。採用したのはデジコルノ家だったか……技術情報が流出していないことを祈ろう」
俺とマーちゃんは、散乱した遺体の
ミサイルをぶっ
ちなみにマーちゃんは、光輪も翼も出した状態で光も周囲に
フェイタールやデコは、
「マーちゃん、状況はどんなだい?
「30名が死亡、24名は気絶と
うちのトカゲ姉さんに
「
そう声をかけてきたのは、グルジオ・ジットナー執事だった。
革製のズボンに革ジャケット、アメリカ西部にいたカウボーイのような
「ジットナーさん。あんたさんはやっぱりカッコいい
絵に描いたように洗練された相手には、俺はとことん弱いらしい。この人は本物の騎士だったのだと思う。腰の長剣で
「ジットナー殿だな。マンマデヒクという。マーちゃんと呼んでほしい。今回はネーラーニ殿に頼まれたのだ。あなたのことを……」
うちの
「
使われる側の人間としては、この結末は確かに
「ジットナーさん。俺が同じ立場なら逃げるか
俺の立場としてはそう言うしかない。
「これは1本取られました。あなたもそういう男だった……。この者達のことは、神官殿と神の使いに頼むべきでしょうな」
ジットナーさんの中では、連中の
奴らの死体は、今の人間の世界が終わるまで腐らずにそのままだし、魂は輪廻の
「ケンチ、息子が世話になったな。こいつには言い聞かせたが駄目だったようだ。秘密にし過ぎるのも良くないらしい」
ザンダトツ先生からはそう言われてしまった。
周囲では黒クモさんが死体と生きている
うちの角猪ズも、いつも暮らしているフロアに戻されたところだ。
「俺の方も黙っていたことが多いんで、それについちゃ何も言えませんがね。先生、連中が狙ってんのぁ、奥様の持ってる印章だってことらしいですぜ」
マーちゃんは、その場の全員に自己紹介も済ませて、街道の様子を観察しながらソコルディにひのきの棒の使用感を聞いていた。
ここは街道ではあるが、国境ではなく南のコレオシタロに折れた側だ。
コレオシタロは工芸品や畜産は盛んだが、乾燥の
「ドナの本名を知っているのだな。黙っていてくれると助かる。コレオシタロで何が起きているのか、我々は確かめに戻らねばならないのだ」
先生がそう言うからには、先に出発した4人全員があそこの関係者だということになるだろう。もちろん、余計なことを言いふらすつもりはないが頭の痛い話だ。
「もちろん余計なことは言いませんや。知らなくていい事が多いのぁ、充分に分かっちまいましたからね。ここ最近で……」
信じてもらえなくても、これが今の俺の本音だ。マーちゃんと付き合うというのは、こういうことなのだ。
「ケンチ、お
オシタラカンのとっつぁんにはブリブリと怒られた。
「そう言われてもよ、オトクカンとフェイタールが一緒に連れてきちまったんだ。こいつだけ置いてったら、この先の仕事に支障が出るじゃねえか!」
俺に言わせれば、これはとっつぁんの責任ではないかと思うのだ。
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※デコ:15歳
透視の術
重量軽減の術
怪力の術
浮遊の術
デコは解体担当としては、エリートと言ってよい才能の持ち主です。透視で内部を見て、
浮遊と重量軽減で自分と対象を浮かせ、怪力で困難な部位も斬れます。これに拡大視や鑑定があれば一流と呼ばれるでしょう。
※お読みいただきましてありがとうございます。この作品について評価や感想をいただければ幸いです。
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