第27話 いよいよ婚活パーティーです
あれから一週間色々準備を進めて週末、婚活パーティーを開くことになった。
プリムローズはいろいろ考えたが結局自己紹介をして希望を言ってもらうことにした。
その場の雰囲気で王様ゲームか人探しゲーム、しりとりなんかもいいかも知れないと考えている。
***男性側***
カイト。エリオット。チャド。この3人は竜族。レイモンドは人族だ。そしてアルナンド。ブレディ。レゴマールの7人。
***女性側***
ローリー。マリーン。お祭りの日に集まったミルフィとフランソワ。アドナ。エリスだ。人数が合わないがそこは仕方がない。
ローリーとマリーンとミルフィは竜族でフランソワとアドナとエリスは人族で、女性はみんな竜人や竜族でも構わないと言う条件をクリアしている。
他にも数人誘ったがまだとまどう人も多く今回はこの人数でやって見ることになった。
時間が近づいて来るとみんなが事務所に集まって来た。
予め女性が先に来るように時間を少しずらして知らせてある。
女性が先に座って男性には後から席を指示しようと思ったからだ。
会場は雰囲気を盛り上げるため入り口には大きな花輪を飾り付け、入り口を入ったところには華やかなリボン飾りをあしらった。
丸いテーブルにはクロスをかけ花を飾り、カウンターテーブルにはゲームに必要なものが並んで、奥の部屋も扉を開いて解放して飲み物やお菓子を準備していつでも歓迎できるようにした。
(音楽があればいいんだけど生演奏ってわけにもいかないから仕方ないな。その分司会の進行で場を盛り上げて行かなくちゃ。よ~し頑張るわよ)
えっと、我が結婚相談所の面々は…
5人とも髪はきちんと整えられ白いシャツにウエストコート、トラウザーズと言うほとんど正装に近い姿だ。最初はクラバットも付けていたがあまりかしこまるのもどうかとプリムローズが言ったのでクラバットは外した。
シャツの前ボタンを外して少しくだけた雰囲気になると、そりゃもう、セクシーさがドアップして男の色気が漂ってくる。
(5人ともけっこう色気むんむんですよ。これは他の男性に頑張ってもらわないと…それにダイルとピックは今回お見合いはなしと言う事なのに…ダイルさんちょっと中年の色気恋過ぎません?それにピック、もう可愛いすぎです)
プリムローズの脳内は幸せホルモンが出まくりで、それを抑えるのが難しく…
なのに。
「プリムローズ準備はこれでいいかな?」レゴマールはしきりにシャツの襟の角度を何度も直したりしている。
ブレディは碧眼の必殺目線でプリムローズにウインクする。
(やめて!あぁぁぁぁ、それってセクシービームですよぉ)
くらくらする身体を必死で立て直し気づかないふりをして奥の部屋に入る。
一度果実水を飲んで落ち着きを取り戻そうとしていると。
そんなところにアルナンドがダイアモンドのような瞳でぎろりと現れた。
「げっ!」
プリムローズは思わず口をふさいだ。
いきなり奥から出て来てプリムローズは腰を抜かしそうなほど驚く。
「もぉ!い、いきなり驚くじゃないですか。アルナンドさんどうしてそんなところにいるんですよ~!」
「すまん、緊張して…」
「299歳で緊張ですか?」
「年は関係ないだろう…はぁ、今日はもうやめていいか?」
すかさずダイルが口をはさむ。
「アルナンドが言い出したんですよ。それなのに止めるとは、聞き捨てなりません。さあ、諦めて下さい。ひょっとしたら気に入る女性がいるかも知れませんよ」
「ふぅ…」
アルナンドは冷たい息を思いっきり吐き出すと諦めたようにフロアに出て行く。
「さあ、そろそろ時間です。皆さんお出迎えの準備を…」
「「「「はーい!」」」」「はぁぁぁ」
「「「アルナンド!」」」
アルナンドはみんなに睨まれた。
***
プリムローズたちは入って来る人たちに笑顔で挨拶をする。みんな少し緊張しているのがひしひしと伝わって来る。
「こんにちは。今日はようこそ。さあ、どうぞ。気楽に楽しんで行って下さいね。あなた方は…フランソワとアドナね」
プリムローズは名前を確認して首から名札を掛ける。名札には名前と年齢、職業が書いてある。
ふたりとも同じ服飾店で働いているらしい。フランソワは赤い華やかなワンピースドレスでアドナはきれいなブルーのおとなしめのワンピースドレスだ。
アドナは平民で王都にでて3年男性との付き合いはなく知り合うきっかけになればと申し込んだと書いてあった。
フランソワは…商会の令嬢らしい。
「ええ、こんにちは。私たちすごく緊張してて…」
「こんなの初めてだし、やっぱりやめようかって思ったんですけど…」
「ええ、そうですよね。緊張して当然ですよね。でも、安心して、ゲームとか楽しい催しを準備してるのでお相手をと言うよりみんなで楽しんでもらえればいいので…さあ、どうぞ座って、すぐにみんな来ますからね…ピックお飲み物を」
「「はい、じゃあ、よろしくお願いします」」ふたりは声を揃えて言う。
レゴマールに奥の席に案内してもらう。
全員同じテーブルは無理なのでテーブルは二つに分けている。
女性とはひとつ席を開けて隣には男性を座らせるように言いつけてある。
次々に女性が現れて席についてもらう。
「これで女性は揃いましたね。すぐに男性の方も来るので気楽に飲み物でも飲んでいて下さいね。最初に自己紹介やお相手への希望なんかを聞こうかと思ってるので考えておいていただけると…」
「希望ですか?」
「ええ、やっぱり皆さん不安でしょう?だから最初に希望を伝えておくといいかと思いまして…」
「そうですね。わかりました」
納得したようにみんなが聞いてみたいことを書いていく。
そしていよいよ男性陣が現れ始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます