美術館などの感想あれこれ

海堂 岬

第1話 写本―いとも優雅なる中世の小宇宙 (国立西洋美術館)

 国立西洋美術館の企画展、内藤コレクション 写本―いとも優雅なる中世の小宇宙にいってきました。


 感想は、素晴らしい! 国立西洋美術館で展示されているのは8月25日までで、2024年9月7日から9月29日までは札幌芸術の森美術館への巡回です。という日程を書いてもエッセイにはなりません。


 気づいたことを一つだけ。


 美術館では、絵は、よく見えるように額にいれられて壁に飾られ、照明は上から照らされています。絵の細部までよく見えるので、小さないたずら書き、例えばハエっぽい虫を見つけたり出来ます(本当にいました)。


 今回の展示は、中世の写本です。作られた頃は、書見台などに広げて蝋燭などの暗く揺れる光で見ていたはずです。現在と当時では、光の方向も強さも違います。

 では、当時の光だとどうなるか。


 美術館で揺らめく炎を再現するのは危険です。しかし、光の方向はコントロールできるはずです。というわけで、絵の真正面に立って、ゆっくりと膝を曲げてみました。あまりに単純な方法ですが。ちょうど、展示物を保護するガラスが天井の照明を跳ね返す高さにきたときです。金箔が光りました。


 祈祷書に描かれた聖人たちの背景の金箔が神々しく光り輝き、衣(ころも)の襞が浮かび上がったのです。この輝きを見ながら祈りを捧げたのかのかもしれないと想像すると、感慨深かったです。


 他にもいろいろ見どころたくさんの展覧会でした(意味:是非、機会がある方は、ご自身の目でご覧になっていただけましたら幸いです)


 コレクションを寄贈してくださった内藤裕史様や研究者の方、様々な形でコレクションの発展と関わった方々、国立西洋美術館関係者の方に本当に深く感謝しながら、図録を眺めております。(意味;また企画展をお願いいたします)


 Webでみつけた四線譜の読み方と見比べながら。

(意味:現代の五線譜にかきなおしたらどうなるのかを見てみたいです。また、この楽譜はこういう聖歌です。などをいつか聴くことが出来たら嬉しいです)


 素晴らしい企画展をありがとうございました。


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