物語の外
苦贅幸成
◯
頼りなくて、つまらない私を、自分の物語に登場させようと考える人はいない。
私自身でさえも、私の物語の主人公が、私だとは思えない。
私は、後輩の教育係になった。
後輩に仕事を教えた。
後輩が仕事で失敗して泣いたらしいと、人づてに聞いた。
後輩は、私ではない他の先輩に相談している。
私は、物語の外の人間だ。
じゃあ私は、なんで生きているのだろうか。
昔の答えを持っていたけど、もう意味を失くしている。
昔、私は憧れの人に宛てて、友達になりたいという中身の手紙を書いた。
憧れの人に手渡して、読んでもらった。
手紙は届かなかった。
それなのに、今もその手紙の続きを書いている。
いくら書いても、詮ないことなのに。
物語の外 苦贅幸成 @kuzeikousei4
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