会議室~2~
2022年10月26日
私「どういう事ですか?」
支配人「告白します。私は罪を犯した者を霊によってあの世へ導く事ができるんです。そして誰がどんな罪をしたのか透視もできますよ。」
私「それは冗談ですよね。おかしい。」
支配人「まあ信じられない事でしょうけど、あなたも奇妙な体験をしましたよね。このような事をするには、毎年秋頃にこういった儀式をしなければいけません。そうしないと効果がなくなるので。この事を知っているのは一部の人です。近隣住民たちには、ただの秋祭りと言って参加させてもらってますけどね。」
私「なぜあの動画を送ったんですか?」
支配人「あなたが記者だからです。覚えていますか?他にも色んな物を届けました。一般の人ならすぐにあの世へ送るのですが、一度記者としての才能っていうのを見たかったので、あえてあなたを泳がせてました。」
私「変な声も人影も全部あなたのせいなんですか⁉私は何の罪があるんですか⁉」
支配人「では、メモ帳にあなたが犯した罪を透視して何個か簡単に書き出しましょう。」
・死体遺棄、放火 ・廃墟で死体遺棄
・通り魔 ・ブロガー殺害
支配人「ブロガーもあの世へ送るつもりでしたが、あなたが先に殺してしまってびっくりしましたよ。あと、ショート動画は自作自演ですよね。」
私「…………」
支配人「あなたは殺人鬼ですね。スクープを取りたいがために。」
私「はい、私が全部やりました。これからどうなるんですか?」
支配人「全部知ってしまいましたからどうしましょう?」
突然、会議室に無数の半透明の人々が現れうめき声を上げ私を睨んでくる。
私「助けてください、お願いします。助けてください。助けてください。」
支配人「私もこの人たちは見えています。みなさんどうしますか。一旦帰らせますか?」
すると、半透明の人々は徐々にいなくなった。
私「本当にごめんなさい。もう許してください。」
支配人「残念ながら、あの世へ行くのは確定なんです。次に霊が見えたらこの世から旅立ちましょう。それでは入口までお送り致します。」
喪失感の私を抱えるかのようにバックヤードから入口まで案内された。
支配人「ありがとうございました。またお越しくださいませ。」
レポートの行方 貴久 @takahisa1004
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