第115話 と思うじゃん?
クエイクドラゴンゾンビは灰色に染まった地を這う地龍の死体であり、翼がないから空は飛べない。
巨大な体ゆえに歩くだけで地響きがすることから、ゾンビになる前はクエイクドラゴンと呼ばれていた。
それが死してなお、地獄の悪魔達によってアンデッドモンスターにされてしまったというのがクエイクドラゴンゾンビのフレーバーテキストである。
少人数かつ参戦させられる従魔に縛りのある今回のチャレンジクエストにおいて、鬼童丸達が召喚した従魔は以下の通りだ。
○鬼童丸
・レギネクス(Lv:28/100)
・フロストパンツァー(Lv:28/100)
・ヨモミチボシ(Lv:28/100)
・イミテスター(Lv:22/100)
・ミストルーパー(Lv:22/100)
・ダイダラボッチ(Lv:1/100)
・ベガイラズ(Lv:1/100)
○宵闇ヤミ
・ヴィラ(Lv:22/100)
・デモンズランプ(Lv:39/100)
・ハーメルンスタチュー(Lv:36/100)
○ヴァルキリー
・ネクロノミコン(Lv:38/100)
・ファントムホーク(Lv:37/100)
・エンドガルム(Lv:37/100)
・メディレイス(Lv:37/100)
○リバース
・ファンタズマ(Lv:10/100)
・エルダーリッチ(Lv:39/100)
・グラッジレックス(Lv:39/100)
・デスレシア(Lv:36/100)
(あれ、俺の従魔のレベル低い? いや、数でカバーしてるはず)
鬼童丸だけが大罪武装を装備した従魔を参戦させられないけれど、各種ブースターで強化されているから通常の同じレベルの個体よりも能力値は高めだ。
メインの火力や
宵闇ヤミはギリギリLv40を超える従魔が多く、掃除屋レイドで召喚できるのは3体と一番少ない。
それでも
ヴァルキリーはネクロノミコンに加え、タナトスが使役しているファントムホーク、ライカンデスロープの進化したエンドガルム、回復や支援の役割を担うメディレイスを戦わせる。
どっしり構える純粋な
リバースはファンタズマに加え、複数の属性の魔法系アビリティを扱えるエルダーリッチ、アッシュレックスとグラッジイーターを融合して誕生したグラッジレックス、回復とデバフが得意な死体が好物の花型モンスターであるデスレシアを参戦させる。
比較的バランスの取れた従魔の構成であり、どんな戦闘にも対応できそうだ。
既に乱戦モードで戦えるようになっているから、鬼童丸達はクエイクドラゴンゾンビが動き出すよりも先にコマンド入力で指示を出していく。
鬼童丸はフロストパンツァーの【
更にイミテスターの【
そのタイミングを狙ってレギネクスが【
新入りのダイダラボッチは【
鬼童丸が何個も状態異常をクエイクドラゴンゾンビに与えている一方で、他のプレイヤー達もどんどん攻めていく。
沈黙状態ゆえに通常攻撃しかできないクエイクドラゴンゾンビだが、動くだけで周囲の
曲がりなりにもドラゴンのゾンビだから、鬼童丸達の集中攻撃を受けてもHPは3割程しか減らなかった。
(硬いな。<獄先派の天敵>があってこれか…)
ドラクールとアビスライダー、リビングフォールンがいないとHPの減りが少なく、鬼童丸は歯痒く感じると共に3体のありがたみを強く感じた。
状態異常にかかっている時間も短いようで、全ての状態異常が治ってしまいクエイクドラゴンがその場でジャンプする。
クエイクドラゴンゾンビが地面に着地した時、周囲の建物が倒壊するレベルの地震が生じる。
本来は地震を起こすアビリティではなく【
クエイクドラゴンゾンビに纏わりついて攻撃している従魔達が一斉にダメージを負ってしまい、鬼童丸達は体勢を立て直すべく指示を出す。
「イミテスターは【
鬼童丸の指示に従い、イミテスターが囮を召喚することでクエイクドラゴンゾンビのヘイトが囮に向かう。
そこにダイダラボッチの【
この隙に回復系アビリティを使える従魔達が味方のHPを回復し、それでも追いつかない場合はポーションでHPを回復させる。
残念ながら、鬼童丸もドラクールとリビングフォールンがいないから、ポーションでダメージを負った従魔を回復していく。
通常攻撃でイミテスターの召喚した囮が倒されてしまった時には、鬼童丸達は撤退せず戦闘を続けられる程度に状況を立て直せていた。
「準備ができたよ。まだ攻撃しないでおいて」
「「「了解」」」
宵闇ヤミがそう告げた時、鬼童丸達は準備が意味することを理解していたから素直に頷いた。
「デモンズランプの【
空を指差して宵闇ヤミが指示を出した理由だが、デモンズランプが下妻市の遥か上空まで移動しており、その状態で【
実際にはコマンド入力で指示を出しているが、配信を見ているヤミんんちゅ達に状況をわかりやすく伝えるためのパフォーマンスをしたのである。
デモンズランプとクエイクドラゴンゾンビの座標が交換されたことで、クエイクドラゴンゾンビは遥か上空から地面に向かってフリーフォールが始まる。
位置取りにも注意を払ったおかげで、クエイクドラゴンゾンビは千代川運動公園を全壊させる程の巨大なクレーターを作り、落下ダメージで一気にダメージが3割程削られた。
落下準備から衝突までの時間はそこそこあったから、鬼童丸達は空を飛べない従魔達だけ送還して【
ちなみに、落下の際に千代川運動公園には害悪ネクロマンサーと使役する従魔がいたけれど、墜落したクエイクドラゴンゾンビはの下敷きにされ、結果的に宵闇ヤミの悪魔のような一手で地面の染みになった。
ここから一度送還していた従魔達を再召喚し、落下の衝撃で痺れているクエイクドラゴンゾンビに追い打ちをかけていく。
ダウン状態になり、4人全員が追撃ボタンを押したことで残りHPが一気に残り1割まで削られ、クエイクドラゴンゾンビの体が黒く変色する。
取り囲んで攻撃するのだが、クエイクドラゴンゾンビへの攻撃が全てカスダメに変換されてしまい、一気にとどめまでは持っていけなかった。
「あぁ、あともうちょっとなのに!」
「硬過ぎるでしょ!」
「こいつのVITはどうなってやがる!」
「と思うじゃん?」
宵闇ヤミとヴァルキリー、リバースがカスダメしか与えられなくなって苛立っている中、鬼童丸だけが落ち着いてた。
その時には既にコマンド入力をしており、霧が発生してクエイクドラゴンゾンビの鼻から侵入していく。
何をしたかと言えば、ミストルーパーが【
【
「外からの攻撃が駄目なら内部からやれば良い。ミストルーパー、今見てる部位に集中して【
鬼童丸の指示を受け、前方に向かって【
硬くなったと言っても、あくまで外部からの攻撃だけをカスダメにするだけで体内に入られて柔らかい部位に直接攻撃されればクエイクドラゴンゾンビの残りHPはミストルーパーに吸い尽くされてしまった。
クエイクドラゴンゾンビの体が倒れると同時に消え、その中からHPとMPを全回復したミストルーパーが現れた。
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