第33話 無駄遣いは愚か者がすることだ。しないに越したことはない
タナトスの用事が終わったところで、鬼童丸はタナトスにネクロとアイテムの交換を頼む。
「タナトス、今俺が持ってるネクロで交換できるブースター全部交換して」
「構わんぞ。それにしても、其方はもう234万ネクロも貯めたのか」
「ガチャにほとんど手を出してないし、アンデッドモンスターをガンガン倒してるからなぁ」
「無駄遣いは愚か者がすることだ。しないに越したことはない。よし、其方の実力を考慮して交換可能なアイテムを増やしたから見てみると良い」
そのようにタナトスが言った瞬間、鬼童丸の視界に新たなショップ画面のウィンドウが開かれた。
○換金レート
・ゾンビ1枚=スケルトン1枚=ゴースト1枚⇔10ネクロ
・ゾンビ派生種1枚=スケルトン派生種1枚=ゴースト派生種1枚⇔ゾンビ100枚⇔1,000ネクロ
・上記以外Lv30上限アンデッドモンスター⇔10,000ネクロ
・Lv50上限アンデッドモンスター⇔50,000ネクロ
○アイテムカード
・ポーション1枚 100ネクロ
・MPポーション1枚 100ネクロ
・携帯食料1枚 100ネクロ
・ミドルポーション1枚 1,000ネクロ
・MPミドルポーション1枚 1,000ネクロ
・中級携帯食料1枚 1,000ネクロ
・STRブースター1枚 1,000ネクロ
・VITブースター1枚 1,000ネクロ
・DEXブースター1枚 1,000ネクロ
・AGIブースター1枚 1,000ネクロ
・INTブースター1枚 1,000ネクロ
・LUKブースター1枚 1,000ネクロ
・STRブースターⅡ型1枚 2,000ネクロ
・VITブースターⅡ型1枚 2,000ネクロ
・DEXブースターⅡ型1枚 2,000ネクロ
・AGIブースターⅡ型1枚 2,000ネクロ
・INTブースターⅡ型1枚 2,000ネクロ
・LUKブースターⅡ型1枚 2,000ネクロ
(装備の項目がない? あぁ、今は交換できる装備がないのか)
前回見た時は装備の項目があったのに今はなかったから、鬼童丸はそのように判断した。
そして、Ⅱ型の各種ブースターとミドルポーション、MPミドルポーション、中級携帯食料を34万ネクロ分購入して貯金を200万ネクロぴったりにした。
Ⅱ型の各ブースターは永続的に能力値を100アップできる効果があるアイテムであり、通常のブースターと同様に1つのアンデッドモンスターに対して同名のアイテムは一度しか使えない。
今回はドラピールに交換した全てのⅡ型のブースターを使用した。
「ふむ、ドラピールは鬼童丸のエースとして申し分ないな。このまま育てると良い。もう少し強くなったら、トーチホーク以外とも模擬戦をできるだろう」
「そういやまだトーチホークしか見せてもらってなかったわ。他にどんな従魔がいるんだ?」
「それはまだ秘密だ。さて、杉並区の生き残りは杉並公会堂に立て籠もっているようだから、そこを襲っているアンデッドモンスターを倒して救いに行くと良い」
「わかった」
次に目指す場所は杉並公会堂だと告げたら、タナトスはトーチホークに乗って飛んで行った。
(タナトスってどれだけ強いのかマジでわかんないからなぁ。早く戦えるようになりたいもんだ。ただその前にっと…)
リビングバルドとレギマンダーの新たに会得したアビリティについてまだ確認していなかったことに気づき、鬼童丸はそれらのチェックを始める。
【
リビングバルドは着実に支援職としての道のりを歩んでいると言えよう。
【
爆発させられる範囲が広がり、威力も上がったため味方が使うなら良いけれど敵に使われたくないアビリティだ。
2つのアビリティの確認を終えたら、鬼童丸は5体目の従魔について考える。
ドラピールは闇属性が使えて攻撃も回復もできる万能型。
デスライダーは回避盾。
リビングバルドは支援職。
レギマンダーは火属性が使える移動砲台。
今のままでもバランスは良いけれど、新人戦に挑む前に少しでも味方陣営を拡充したいところだ。
(属性のことを考えるなら火属性以外が欲しいぞ)
アンデッドモンスターが味方であり、敵でもあるUDSにおいて光属性の存在があるかもしれないが相当レアなはずである。
そうであるならば、鬼童丸は火属性以外の四大元素や雷、氷等の属性が使えるアンデッドを従魔にしたいと考えた。
現在保有するモンスターカードを確認し、
鬼童丸が
この3種のアンデッドモンスターのカードが合体するエフェクトが発生し、融合アンデッドが誕生する。
「
融合アンデッドの外見から確かめるべく、鬼童丸はフロストキャリッジを召喚してみた。
フロストキャリッジの見た目は冷気を纏った青白いミミック馬車と呼ぶべきもので、牽引する馬はいないが自動で動くようだ。
名前から氷属性のアビリティが期待できるが、その期待通りになっているか鬼童丸はステータスを確認し始める。
-----------------------------------------
種族:フロストキャリッジ Lv:1/50
-----------------------------------------
HP:500/500 MP:500/500
STR:500 VIT:500
DEX:500 AGI:500
INT:500 LUK:500
-----------------------------------------
アビリティ:【
【
装備:なし
備考:なし
-----------------------------------------
(トリッキーな移動手段と考えるべきか)
フロストキャリッジのステータスを確認し終えた鬼童丸は、素直に面白い融合アンデッドだと思った。
乗り込んで移動できるだけでなく、氷属性の攻撃もできるから他の4体とは違う形で鬼童丸の役に立つだろう。
ドラピールに運んでもらって空を進めば、周囲を見渡せる反面何処からでも狙いやすい的になる。
もっとも、生半可なアンデッドモンスターではドラピールを貫通して鬼童丸を攻撃できないだろうが、危険があるのは事実だ。
フロストキャリッジに乗車して移動する場合、周囲の様子は空を移動するよりわかりにくいけれど陸地を進む分狙われる方向がある程度限定されるというメリットもある。
状況に使い分けるべきと判断し、ひとまず杉並公会堂に向けてフロストキャリッジに乗って出発してみる。
なるべく多くのアンデッドモンスターを見つけて倒したいから、鬼童丸はデスライダーにフロストキャリッジを先導させてみた。
リビングバルドとレギマンダーは送還し、ドラピールを護衛として召喚したままフロストキャリッジに乗車させて移動する。
(それにしても、ドラピールの外見って女性らしくできてるもんだ。喋ったりするのかね?)
正面に座らせたドラピールを見て、鬼童丸はドラピールが喋れるのだろうかと疑問に思った。
アンデッドゆえに色白ではあるが、他のアンデッドモンスターと違って肉体がしっかりと構成されているドラピールは喋れても不思議ではない。
「ドラピール、喋れるなら喋ってみてほしい」
試しに出してみた指示に対し、ドラピールは静かに首を横に振った。
(残念。喋れないのか。でも、次の進化なら喋れるかもしれないな)
ドラピールの時点でかなり凝ったデザインなのだから、次に進化した時には喋れるようになっていてもおかしくないと思い、鬼童丸はまた1つドラピールを育てる楽しみを見つけた。
それはそれとして、デスライダーの【
何度か戦闘を行って杉並公会堂に着いた時には、鬼童丸はLv45、ドラピールとデスライダーはLv16、リビングバルドとレギマンダーはLv13、フロストキャリッジはLv18までレベルアップした。
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