第4章 Preparation
第31話 もう1回暴れるドン♪
翌日の木曜日、
なかのZEROまで転移魔法陣で移動したら、鬼童丸は杉並区に向かって出発する。
「
昨日までは車で移動していたが、ドラピールに自分を抱えて空を飛んでもらえることに気づいたため、鬼童丸は車を使わずに空を飛んで杉並区に向かう。
杉並区に向かう理由だが、鬼童丸が中野区から進めるエリアが杉並区しかなかったからだ。
渋谷区と練馬区は既に他のプレイヤーに統治されており、侵入できるのが杉並区だけだった。
だから杉並区に向かうことにしたのである。
上空から地面を見下ろせば、何処に野生のアンデッドモンスターがいるか丸わかりだ。
新人戦が始まるまでに少しでも強くなりたいなら、敵の多い場所でレベルアップするに越したことはない。
アンデッドモンスターの大群がいる場所を見つけ、鬼童丸はそこにドラピールを向かわせた。
「グリムロスにネクロワーム、ブラックスカルメイズか。閉じ込められたら面倒なことになりそうだ」
グリムロスはつい最近まで宵闇ヤミが使役していたから良いとして、ネクロワームとブラックスカルメイズは新たなアンデッドモンスターである。
ネクロワームはゾンビ化したサンドワームという見た目で、死体やアンデッドモンスターを無差別に喰らう。
ブラックスカルメイズはスカルウォールがブラックスカルウォールに進化し、更にその次の進化先だ。
黒い骨の迷路に敵を閉じ込め、他のアンデッドモンスターにその敵を襲わせる効率重視のアンデッドモンスターと言える。
普段は黒い骨の山に擬態しているが、敵が射程圏に入った瞬間に大急ぎで元の姿に戻って敵を閉じ込めるから、鬼童丸はその射程圏に入らないよう距離を置いている。
3種のアンデッドモンスターがうじゃうじゃいて画面が乱戦モードに変わり、鬼童丸は早速経験値稼ぎを始める。
「
既にドラピールはいるが、それ以外の3体も召喚したところで鬼童丸はすぐにセットコマンドに登録したアビリティを使用させる。
リビングダンサーが【
本当はレギランプに【
一度のセットコマンドでがっつりと敵の数を減らせたから、鬼童丸はかなり上機嫌だ。
「もう1回暴れるドン♪」
ネタ発言を口にしながら同じセットコマンドを使えば、鬼童丸の従魔4体は更に強化された状態で敵を蹂躙していく。
ブラックスカルメイズ達はただのデカい的であり、不憫なことに鬼童丸達を内部に閉じ込めることもできないまま倒されていった。
ヘイトはデスライダーが【
しかし、デスライダーに【
『鬼童丸がLv40からLv42に到達しました』
『ドラピールがLv1からLv6まで成長しました』
『ドラピールの【
『デスライダーがLv1からLv6まで成長しました』
『デスライダーの【
『リビングダンサーがLv48からLv50(MAX)まで成長しました』
『リビングダンサーが過剰な経験値を保持した状態でレベル上限に達したため、リビングダンサーがリビングバルドに特殊進化しました』
『リビングバルドが【
『レギランプがLv43からLv50(MAX)まで成長しました』
『レギランプが【
『レギマンダーが【
『グリムロスを100枚、ネクロワームとブラックスカルメイズを50枚ずつ手に入れました』
(リビングダンサーとレギランプも特殊進化したか。これはありがたい)
新人戦に参加するなら、他の参加者が未確認な情報を持ち込みたいところなのでリビングダンサーとレギランプがそれぞれリビングバルドとレギマンダーに特殊進化したことは鬼童丸にとってありがたかった。
リビングバルドは実体化した民族衣装を着て目隠しをした踊り子の幽霊であり、リビングダンサーの時よりも支援系の外見に変わった。
レギマンダーは宙に浮いたランプの見た目から、サラマンダーの幽霊の外見へと変わった。
どちらも見た目が大きく変化したことから、順番に2体のステータスを確認する。
-----------------------------------------
種族:リビングバルド Lv:1/75
-----------------------------------------
HP:2,400/2,400 MP:2,500/2,500
STR:2,500 VIT:2,400
DEX:2,600 AGI:2,500
INT:2,500 LUK:2,600
-----------------------------------------
アビリティ:【
【
【
装備:ジプシードレス
アサシンブーツ
備考:なし
-----------------------------------------
-----------------------------------------
種族:レギマンダー Lv:1/75
-----------------------------------------
HP:2,500/2,500 MP:2,600/2,600
STR:2,400 VIT:2,400
DEX:2,500 AGI:2,500
INT:2,600 LUK:2,500
-----------------------------------------
アビリティ:【
【
【
装備:なし
備考:なし
-----------------------------------------
リビングバルドもレギマンダーもちゃんと強化されており、鬼童丸はホクホク顔になった。
2体の特殊進化によるパワーアップも嬉しいが、ドラピールとデスライダーの新たに会得したアビリティも有用だから更にご機嫌である。
ドラピールの【
デスライダーの【
【
(幸先良いね。次はTAC杉並区上井草スポーツセンターに行くか。害悪ネクロマンサーがいたっぽいし)
アンデッドモンスターの混成集団を見つけて着陸する前、鬼童丸は空からTAC杉並区上井草スポーツセンターに害悪ネクロマンサーの存在を確認していた。
害悪ネクロマンサーを倒せば<杉並区の主>を獲得できるから、杉並区を統治する気があるならば倒しておきたい。
新人戦まで時間がないので、杉並区に他のエリアのネクロマンサーが現れてもおかしくはない。
この場に長居して先を越されては困るため、鬼童丸はドラピールに運ばれて空からTAC杉並区上井草スポーツセンターに向かった。
TAC杉並区上井草スポーツセンターの人工芝グラウンドにはアンデッドモンスターがひしめいており、その中心で害悪ネクロマンサーは従えているらしいオークゾンビの上に偉そうに座っていた。
(なんで害悪ネクロマンサーって揃いも揃って偉そうにしてるんかね)
そんなことを思いつつ、鬼童丸は害悪ネクロマンサーの前に着陸した。
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