第12話 アムロが一条くんに…負ける訳ないじゃないですか~

(過去の某飲み会にて)

?「桂木三月くんだよね?新入社員の」

「はい…よろしくお願い申し上げます」

?「お酒の手配とご相伴ご苦労様。後はこっちでやるからみんなの輪に入りなよ。これは君たちの歓迎会なんだよ?」

「いえ…体育会系の裏方、性にあってるので。安永先輩こそ皆さんが待ってますよ」

愛子「えっ!あたしの名前分かるんだ」

「はい!安永愛子先輩。本日朝は、何も分からず出社した俺を導いてくださって…ありがとうございます」


入社初日の新人歓迎会。本社受付勤務の愛子先輩と話をしたのは…これが最初だった。凄い美人なのにそれを感じさせない…気さくで人懐っこい女性ひとだったな…


(ここからは京子目線でお送り致します)

「暑っつい…」

三月「だったら…パーカー脱いだら?せっかく下が水着なんだし」

(画像)

https://kakuyomu.jp/users/kansou001/news/16818093084873511644


「死んでもいや…先輩の嫌らしい視線で妊娠しちゃう…」

「…」

三浦半島は和田長浜の海岸は本日も晴天。嫌らしいほど晴天。太陽め…コミュあたしのパーカーを脱がせようったってそうはいくもんか!

あたしは少し大きめのバラソルを一人で占領して、近寄るなオーラを振り撒いていた。

先輩はヨットの設営係のようで、海岸に大小4艇のヨットを用意して…あたしの近寄るなオーラなんか全く無視して話し掛けてきた。


三月「じ…じゃあ目線で人を妊娠させる鬼畜男はそろそろ…」

「待てやこらっ!行くな先輩たまよけ!男寄ってきたらどうするんじゃ!」

三月「多分、大丈夫だと思うよ。さっきからみんな近寄るに近寄れなくて『こら三月ロリコン、お前が連れてきたんだから、責任持ってあの珍獣かわとうを何とかしろ』って言われて来たんだから」

「…」

三月「俺、ヨット部でもアッシーでさ、そろそろみんなをヨットに乗せないと…」


?「あ!いたいた~三月く~ん、トッパーを一緒に…ひい~っ!!」

「…何が『ひい~っ!』なんですか?弘美先輩?」

三月「お前なあ~、いきなり悲鳴は無いんじゃないのか?」

大きくたわわなメロンを二つ引っ提げた小動物みたいな女性が先輩に纏わりつこうとして…あたしを見て凍りついた。先輩の同期の弘美先輩だ。

※トッパーは、1~2人乗りヨット


弘美「だ…だって京子ちゃんの目って怖くて。噂では目からビームだして敵をなぎ払うって」

光子力ビームかっ!?でもマジンガーZに興味があるなら、ワンチャン仲良くなれるか?


京子「弘美先輩、分かっているとは思うけど、さっきから長谷川先輩が誘いたそーにしてますよ」

弘美「京子ちゃん駄目だよ!長谷川さんじゃ目線で妊娠しちゃう」

「…」

三月「女ってほんと、おんなじようなこと言うのな」

長谷川先輩は横浜支店の先輩…見た感じこのヨット部の取り纏め。体育会系の容姿は…女性受けは人それぞれかもしれないけど…そこまでいわなくても。


「いや!だったら桂木先輩だって…」

弘美「三月くんは大丈夫だよ~ロリコンだもん」

「…」

いや…仮に先輩がロリコンだったとして…うちの女性陣で一番先輩の対象になりそうのは弘美先輩あなたなんじゃ…


?「あ~鉄面姫だ~」

「なっ!」

桂木先輩は弘美先輩に引き摺られていって一人になったあたし。

まさか真っ正面からその名で呼んでくる女がいるとは!

思わず睨み付けようとして、

「…えっ」

そこにはニコニコと笑っている、眼鏡の似合う知的な美女が立っていた。

夏美「暑っついね~。隣いいかな?京子ちゃん?」


ひょっこりあたしの隣に陣取った藤沢夏美先輩…あたしの四年先輩にして本社3大美女の一人。同じ経理の大先輩として、実は尊敬していたりする。

…しかし、

「(この人が本当にアニオタなの?)」

知的美人という言葉がぴったりはまりそうな夏美先輩。


(三月「夏美先輩の扉を本当に開けたいなら…」)

「あ…あのっ!マクロスの一条くんって…」

夏美「ああ!アムロもシャアも一撃ねっ!」

「…んなわけないじゃないですか、マックスもろとも瞬殺ですよ」

…しまった~!!


夏美「へえ~、三月くんから聞いていたけど…京子ちゃん本当にアニオタなんだ~」

…バレた…というか先輩、口軽いっ!!

夏美「…ごめんね?実は三月くんから少し頼まれたんだ~京子ちゃんが一人だったら話掛けてやって欲しい…って」


夏美先輩とのオタ話は楽しかった…けど、後で先輩が言うには…

「お前らの周りだけ闇色になって、誰も近寄れなかったみたいだぞ?」


…大きなお世話だよっ!






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