白馬の王子様と黒馬の王女様
夜桜
1話 転生〜黒崎海斗からクラウス・カイルへ
『僕』は消えた。地球上に存在しない。まだ17歳だったのに…まだ夢と希望があったのに…黒崎海斗という名の人生は17年という短い命で幕を閉じた。大震災が起き学校に残っていた何人かの生徒は、きっとみんなこの世にはいない。
ぱんぱかぱーん!どこか分からない永遠と壁が続くような場所に鳴り響いた音。「おめでとうございまーす!」どこか阿呆そうな声が聞こえる。「阿呆なんて…この私に言いますか!?これでも神様なんですが」か…み…さ…ま…?「私は偉大なる神ですわ」こんな人が神様…世も末「黒崎海斗さん。さっきから失礼ですよ。あなたは選ばれし者として、新しい人生をその記憶ありきでスタートできるのです!なんとガチャガチャで100000分の1の確率で当たったのです!今まで当たりなんてないんじゃないかと思っていました!」今までの記憶って大して多くないような…「ですが、黒崎海斗さん。あなたのフェンシングはきっと役立ちますよ!」フェンシングね…何かスポーツを習えと父に言われて、同い年がやっていなのがいいと思い見つけたフェンシング。とても熱中して勉強がおろそかになるレベルまでやっていた。母に次のテストで平均点を超えなかったらやめろと言われた。そして迎えたテストの日が大震災に見舞われた今日だった。いい思い出じゃないわ…「そろそろ回想が終わりましたか?」…ひどい「ということで、新しい人生をスタートさせましょう。」ちなみにどの国ですか?「パルプ国です」え、?「聞こえませんでしたか?パルプ国です」聞こえましたが…地球じゃないのぉぉぉお!?「言ってませんでしたっけ。言語翻訳はついてますし大丈夫ですよ。この国は面白くてですね。そんな国のもうすぐ生まれる子供、王子になってもらいます!」……情報量が多い。王子って…童話の中じゃなかったんだ。「あ!!もうすぐ生まれます。」は、?「国の情報などは生まれてから頭におくるので置いときます。あなたの名前はクラウス・カイルです。頑張って0歳から過ごしてくださいね!」クラウス・カイルどことなく黒崎海斗に近い。「では、いってらっしゃいーーー」そういって僕は謎の異空間に投げ出された。
「オンギャアーー」目を開けるとキラキラとした世界が目に写った。物理的に。シャンデリアやお洒落なベッド、インテリアが光り輝いている。物理的に、宝石で。これは王家。流石だなーなどと思っていると、神様(らしき人)が言っていた国の情報が頭にながれこんでくる。とても頭が痛くなり、気づいたら気を失っていた。目が覚めると母親らしき人と父親らしき人が顔を覗いている。「念願の子供ね。良かったわあなた。これで跡継ぎの心配がなくなるわ。」「本当にありがとうな」きっと本当に嬉しいんだろうなと黒崎海斗だった頃の弟が生まれた時を思い出した。
昼寝をしながら、神様からもらった情報を整理した。この国はパルプ国760万平方kmほどである。分かりやすくいったら、オーストラリアくらいだと思う。形もオーストラリアに近い形をしている。中央部は、丸くなっていて王都シュナイハーがある。その周りを囲むように下から右回りで、工業が盛んな町ギガリル、放牧の都メントラル、魚が豊富なリンドルト、農作物の地パーリン、その他を極めるワンダーという1つの王都と5つの町で出来ている。その間には貴族らが住んでいる。とても活発で楽しそうな国である。
これからの国を守るべき王子、クラウス・カイルが今ここに誕生したのであった。
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