創作秘話
先日アップした『T博士とライ麦畑』なのですが、これには創作秘話があります。
私は××××という投稿サイトをやっているのですが、このサイトには「自主企画」というテーマ毎に作品を集めるイベントがあります。
ある日、私は夜眠れなくて、自主企画をぼんやりと眺めていました。
すると、それこそ眠れない人向けの自主企画があったのです。
そこに同一人物が大量に作品を投稿していました。
最初は字数が少ない詩から読んでいたのですが、この独特の語り口やエロスへの渇望に引き込まれて、どんどん他の作品を読んでいきました。
朝日が差し込んできて、私はようやく正気を取り戻しました。
凄まじい一夜を過ごしたな……と思いながら。
その日一日、仕事は手につきませんでした。
帰ってからも、夕食を取ることなく、すぐ未読作品を読み漁りました。
そしてついに、作者のアカウントを見に行ったのです。
日頃、作品は読んでも、作者にまで興味を持たない私が。
先生は、ライ麦畑についてお話されてました。
ああ、今、この先生は風に揺れるライ麦畑の中で、何度も犯し、何度も殺しているのだと。
私はそうはっきり見えたんです。
私は児童文学作家になりたいのです。
でも、今まで一枚も書いたことはありません。
書こうと思っても、何を書けばいいのかわからないのです。
それは才能が無いのだから諦めろ、とも言われました。
でも、この『T博士とライ麦畑』を書こうと机に向かったら、今までピクリとも動かなかったペン先からどんどんどんどん言葉が生まれました。
あっという間に出来上がりました。
私は、二枚の原稿用紙を、月明かりに透かしてみました。
今まで感じたことのない、悦びがありました。
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