第18話子供達

 第三子は、女の子だった。


「わぁ!ちっさい!」


「本当だ!かわいいね」


「僕達の妹だ」


「「よろしく、僕達の可愛い妹ちゃん」」


 どうしよう。

 子供達が可愛い。

 孫達にデレデレの両親と義両親。


「か、かわいい……」


「ここは天国か?」


「あの息子の子とは思えん愛らしさだ。顔はそっくりなのに」


「本当に。あのローレンスの子供とは思えないわ」


「父上、母上?ちょっと!それ、どういう意味です!?」


 義両親の言い草にローレンスがツッコミを入れている。


「ローレンス、自分の胸に手を当てて考えてみなさい」


「母上!?」


「そうだぞ。お前、自分の今までの行いを振り返ってみろ」


「父上!?」


 ローレンスが義両親に責められている。

 何かしたのかしら?

 過去に?

 変な噂は聴いたことはないけれど……。

 それともこれが親子のコミュニケーションというものなのだろうか?

 公爵家の親子関係ってよく分からないわ。


 その後も私は次々と子宝に恵まれた。


 子供達は皆仲が良い。

 私とローレンスは一人っ子だから、余計にそう感じるのかもしれない。


 あれは何時だったかしら?

 そうだわ。長男を出産した直後のこと。

 


『僕は一人っ子だからね。もし、弟や妹がいたらどんなだったのかな?って小さい頃は考えたことがあるよ』


『……そうね。私も兄弟姉妹がいたら、って考えたことはあるわ。特に友人に仲の良い姉や妹がいて、羨ましかったりもしていたから』


『そうだったんだ。ならさ、ソーニャ。僕達は沢山子供を作ろう。寂しくないようにね。それで沢山愛情を注ぐんだ』


 ローレンスの提案は、とても素敵な提案だと思った。

 私が賛同すると、彼は嬉しそうに笑った。


『ローレンスは子供好きなのね』


『やだな、ソーニャとの子供だから好きなんだよ』


 笑顔で言い切るローレンスに、私は気恥ずかしくなってしまった。


『ソーニャ、僕の子供を産んでくれてありがとう』


 唐突にお礼を言われてしまったけれど、笑顔で頷いた。

 こちらこそありがとうと……。



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