式神さんは意外に貞操観念が高い。

猫野 尻尾

第1話:平安女子。

この作品も再投稿になります。


式神とは、陰陽師が使役する鬼神のことで人心から起こる悪行や善行を見定める

役を務めるもの。

また陰陽師の手となり足となり暗躍する。

式の神・識の神(しきのかみ)ともいい、文献によっては、式鬼神しきがみともいう。

陰陽師によってその式神の容姿は様々に違うようだ。



俺は某大学に通う不・・・健全ないち男子。


名前は「生田 性也いくた せいや」現在22歳ってか。


名前の生に「りっしんべん」がついてるやつなんか俺くらいだろう。

でも名は体を表しいる。

その名の通り俺は一般男子よりかなりスケベだと自負している。

たぶん先祖代々受け継がれたスケベなんだろう。


人より湧き上がる性欲が強いというのは自制できない。

だけどまだ童貞・・・頭の中はスケベで渦巻いてるけど行動がともなってない。

だから誰かとエッチしないと脳と体のバランスが取れない。


そんな折、耳寄りな話を聞いた。

なんでも、平安時代からこの現代にやって来たって言う幻のような女子が

この大学にいるらしい。

平安女子ってどんなだ?

俺は頭の中で想像した・・・髪は後ろで束ねて十二単着てるとか?

平安の時代劇の女子なんてそんなイメージしかない。


彼女の名前は「桜 吹雪さくら ふぶき」って名前らしい・・・。


まあ、なんでもいい一度会ってみたい。

にわかに平安女子とエッチしてみたい願望が、ふつふつと湧いてきた。


なんでもオカルト研究会ってサークルがあって、彼女はその部に所属して

いるって情報を手にいれた。

彼女に会いたかったら大学中を探して聞いて回るよりオカルトサークル部に

行ったほうが早い。


なもんで俺は早速オカルトサークルの部室の扉を叩いた。


「すいません・・・・あのつかぬことをお伺いしますけど・・・」


部室には男子がふたりいた。

女子はいなかったので、平安女子は、まだ来てないのか、どこかへ

でかけてるんだろう。


「あの桜 吹雪さん、探してるんですけど・・・」


「彼女ならたぶん古井戸にいると思いますけど・・・」

「ちょっと待ってください、呼んできます」


そう言って男子のひとりが彼女を探しに行ってくれた。

しばらく待っていると男子とひとりの女子が部室に帰ってきた。


「私に用とは?どなたでしょう?」


そう言って着物を来たひとりの女子が部室に入ってきた。

十二単じゃなかったし、後ろで束ねてなくて、おさげだった。


もしかしてこの子が「桜 吹雪さくら ふぶき」さんかな?


って、俺は彼女を見た瞬間、まったくのアホ面になっていた。

クチがぽか〜んと開いて体は金縛りになったみたいに硬直して動かない。

それは彼女が俺をそうさせてるんだ、俺のせいじゃない。


こ、こんな子どこにいたんだ?


彼女は俺の理想の女にぴったりハマっていた。

顔は俺の好みで、激カワ、痩せてもなく太ってもない、にも関わらずおっぱいが

デカい・・・と思う・・・着物だから裸になってみたいとなんとも。

でも1000%俺の理想のタイプ。


桜 吹雪さくら ふぶき」恐るべし・・・。


「あの・・・あなた様でしょうか?私に用って方?」


「あ、そうだったんだけど・・・もういいです・・・ちょっと舐めてました」


「え?舐めて?なにをでしょう〜?」


「す、すいません・・・また来ます」


「私に用じゃなかったのですか?」


「たじろぐくらい衝撃的にカワユクて、あまりの突然の衝撃に僕の脳みそが

ついていけなくて今はちょっと気持ちの整理がつかないんです」


「は?」


「心の準備が整ったらまたお邪魔するかもです・・・桜 吹雪さん・・・」

「平安女子に会えただけで儲け物・・・ありがとうございました」


それだけ言って俺はそそくさと部室を後にした。


「なんでしょう〜・・・変なお方ですね」


その日から俺の切ない片想いが始まった。

俺は吹雪ちゃんを彼女を完全に舐めていた・・・あれほどの女子だとは

思っていなかったからだ。


でもなんで平安時代からこの時代に来たんだ?

平安時代からの留学?・・・ホームステイ?

まあ今の大学の方が昔の塾なんかより、いろいろ研究は進んでるからな。

それでこの大学に来てるんだ。


実は吹雪ちゃんがなんでこの時代に来てるのか?

その理由を俺は後で知ることになるんだけど、吹雪ちゃんは留学とか

ホームステイとかそんなことでこの時代に来てるんじゃなかったんだな。


ああ・・・吹雪ちゃんとエッチしたい。

絶対エッチしたい・・・あの着物の裾をはだけて・・・。


「あ〜れ〜そんなご無体な、なって言われちゃって・・・」

「スケベバカだ、俺」


つづく。




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