第10話
テストが無事に終わり、ほっと一息ついたのも束の間、今日はテストの結果が張り出される日だ。
緊張と期待が入り混じった気持ちで、俺は教室を出て、廊下に掲示された成績表を見に行くことにした。
廊下には既に何人かの生徒が集まっていて、それぞれ自分の名前を探していた。
俺もその中に加わり、心臓の鼓動が少し速くなるのを感じながら、成績表に目を走らせた。
「どうだろう…うまくいったかな…」
と心の中でつぶやきながら、やっと自分の名前を見つけた。
結果は…予想以上だった。
特に、社会科の点数が高かったのは、先生に教えてもらったことがしっかりと身についていたからだと確信した。
「やった…!」
俺は思わず声に出してしまったが、周りに聞こえるほどの大きさではなかった。
それでも、自分にとっては大きな成果だ。
その瞬間、先生の顔が頭に浮かんだ。
あの時、一緒に社会の勉強をしたことが、確実に結果に結びついているんだと実感した。
「先生に報告しなきゃ…!」
と思い立ち、急いで教室に戻ることにした。先生もきっと喜んでくれるに違いない。
教室に戻ると、先生は机で何かの書類を整理していた。
俺は大きな声で呼びかけた。
「先生!」
先生は顔を上げ、いつもの穏やかな笑顔を見せてくれた。
「どうしましたか、正彦くん?」
俺は嬉しそうに言った。
「テストの結果、見てきました!社会科の点数がすごく良かったんです。先生のおかげです、ありがとうございました!」
先生はその言葉を聞いて、満足そうに微笑んだ。
「それは良かったですね、正彦くん。頑張って勉強した成果がしっかりと出ましたね。私も嬉しいです。」
俺はさらに続けて
「次も頑張ります!またいろんなことを教えてください!」
と決意を込めて言った。
先生は力強くうなずき
「もちろんです。これからも一緒に学んでいきましょう。正彦くんが興味を持つことなら、どんなことでもお手伝いしますよ。」
と応えてくれた。
俺はその言葉に胸がいっぱいになり、改めてこれからの勉強が楽しみになった。
先生との会話が、単なる知識の習得だけでなく、自分自身の成長に繋がっていることを強く感じた。
これからも、先生と一緒に学び続けていくことを楽しみにしながら、次の目標に向かって頑張ろうと心に決めた。
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