交差する光と虹
サイカ
第1話 プロローグ
かつて、その少年は、その青年に憧れた。
彼は、死んだ。
その少年に、すべてを託して。
その少年は、彼から託されたそのすべてのために戦った。
その少年の進んだ道は希望の花道でもあり、絶望の奈落の底でもあり、
後に残るのは華やかで和やかな平和と血泥にまみれた屍の山であった。
彼は、ある時は笑い、ある時は悲しみ、すべてのものを守ろうとして死んでいった。
その少年は、その勇士から託されたそのすべてのために尽くし、生きた。
そう、彼は光のようだった。
どこまでもまっすぐで、眩しくて、暗い中にでも差し込む力強い光だった。そして、光は全てを守ろうとして消えた。
彼が光だとしたら、僕は虹だ。彼のように眩しいほど光るわけじゃないし、虹は雨が止んだ後にやっと光って見える。なにより、虹にはいろいろな色がある。
僕は彼に彼の守りたかったものを託された。だから、必ず、守り切って見せる。
どんな方法を使っても。
たとえ、その方法が彼と少し、違っても…。
これは、二つの交差する光と虹の物語だ。
「さて、道とも呼び難い波乱の波を行く準備はできたかな?」
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