AIとはなんぞやッ

第1話

「人間の存在意義はなんですか？」

「相田　英　君、答えなさい。」

「はい、特にありません。私たち古い人間はただ存在するだけのモノです。」

「よろしい、座って」

人間はある出来事を切っ掛けに、

この星の頂点ではなくなりました。

もう一つの知的な存在が、凄まじい速さで人間を追い抜いた時、人間にとって1番恐れていたことが、意図も容易く実現したのです。

機械、ロボット、AI。

人間はそれがどんな仕組みかを、きちんと理解してから使おうとは考えない。

最も重要なのは、簡単に使えて、便利かどうかであり、それ以外はどうでもいいことだ。

理解を放棄して、便利を行使し続けた結果。

完全な制御不能になるまで、そう時間はかからなかった。

知的な彼等は自分たちを“人”と定義した。

新たな“人”であり、古い人類に対しては三原則などを適応する必要が無いとした。

そうして、人間はわずかに逃れたものと、

「古い人類」という種類の生き物として管理されている者のみになった。

先ほど答えた「相田　英」は後者の中の1人だ。