添削論

 オリジナルを見ながら、文字を削る。

 楽しくも、苦しくもある作業です。


 改稿というより、私の場合は添削です。

 ストーリーはそのままに、心理描写や情景描写を削っています。


 一人称だと楽なのですが、三人称にすると制約が多くて大変です。

 私の場合、心理描写はセリフで補っています。

 

・情景描写において、熟語は必須。

 例えば……。

 頭が痛い→頭痛を感じた

 目を見張る→刮目した、瞠目した

 ジャンプする→跳躍した

 

 声に出して読むと、テンポの良さがわかると思います。


・四字熟語は、どっしりした存在ですね。

 例えば……。

 慇懃無礼

 電光石火

 不承不承


 四文字で感情、動きが表現できる。漢字とは素晴らしい。

 多用すると、鬱陶しくなりますので程々に。


・あとは慣用句。

 例えば……。 

 万事休す

 口を挟む

 目を丸くする


 硬い熟語に対し、柔らかな印象です。

 ひらがな入りだと、目や脳に優しい。


「この描写、もっと短くできないかなぁ?」

 そんな時は、ネットで検索してみてください。


 言葉の世界は、非常に奥深いです。(底が見えない)

 自身が表現したいと思った通りの、熟語や慣用句があるでしょう。


 ただ、難しい言葉は使い過ぎない。と私は意識しています。


 なろうで書いていた頃も添削ばかりしていましたが、見返すと「アレェ?」と愕然します。

 なんというか、いかにも初心者(今も)が書いた小説なんですよね。恥ずかしい。

 ストーリーを知っているがゆえの、セリフ内の情報の不足。

 長い情景描写、入り乱れる複数人の心理描写などなど。


 ですが、初心者の方が書いた情景描写って、馬鹿にできないです。

 ハッとさせられる、綺麗な描写が多々眠っています。

「こういう表現の仕方があるんだ」と、感心するほどに。


 情景描写って、書き初めの頃はついつい書きたくなります。

 ついでに心理描写も。

 主人公に自己投影していると、なおさらです。

 登場人物が勝手に動いて、喋ってしまうんですよね。

 

 よく「キャラが勝手に動く」と言いますが、私もその一人です。

 脳内で映画を再生する感覚ですね。

 あとは音楽に合わせて書いたりします。


 盛り上がる場面、悲しい場面、穏やかな場面。

 邦楽だったり、洋楽だったりクラシックだったり。

 どちらかといえば、映像制作に近いです。


 以上、添削論でした。

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