八ツ色物語

君影 ルナ

序章

 真紅の彼女は言った。


「やっぱりあなたは私の親友ね!」




 蒼天の彼は言った。


「……お前のことは、認めている。」




 黄金こがねの彼は言った。


「僕たち、甘党同盟〜」




 菫の彼は言った。


「君のおかげで、自分を許せた。」




 緑翠の彼は言った。


「一緒にこの花を育てよう。」





 琥珀の彼は言った。


「だからお前が嫌いだ。」




 暗闇の彼は言った。


「生きろ」



……


 皆の言葉が私を縛り付ける。雁字搦めになって、糸が絡まって、息すら出来ないほど。


 お願いだ、どうか、どうか、誰か、この言葉を解いてくれ。


 そう願っても、それを嘲笑うようにあなた達はまた一つ、また一つと言葉を重ねるのだ。


「生きろ」


 と。

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