グルグルとアム
鍋島小骨
第1話
ひかりひかり
わたくしたちは ひかりのこども
ひかりのように あかるいこども
いつもあかるく うたいましょう
(こどもさんびか五十二番)
って歌いはしたけど特に俺んちがクリスチャンだったわけじゃない。たまたま近所の幼稚園がプロテスタントだっただけ。クリスチャンの家の子じゃないと入れねーよみたいな縛りもなかったらしくて。まあ入ったら四歳五歳の子どもに対して讃美歌を歌い聖書を読み、完全に『柔らかいお肉に下味をすり込みましょう』だったけれどもだ。
お前他の神信じてねぇよな? 信じてねぇならこれ踏め。みたいなアレで仏画踏まされるようなこともなくて。
だから特にクリスチャンになるわけでもなく単にその文化に触れつつ、お彼岸お盆も十五夜も正月もまるで否定されない感じの幼稚園時代を過ごしたわけ。
それはそれとして公立小中高と進んだ俺てきには、一羽の雀さえ神は救いたもうとか言うけど原爆の例だけ考えてもバカクソ矛盾よな、ってなって、死後の世界があり死んだ後に救われる(と信じ込む二重信仰)系? って結論には達した。現世利益はノータッチってことだよな。まあそれはそう。信じる神によって現世利益の多い少ないが決まるのアンフェアすぎる。……って思ったけど実際にはキリスト教やってると『つえー』んだよなって思うことはあるよね。用語、美術、行事、けっこう支配されてんじゃん、日本にいてさえも。
それで想像することもあったわけ。
今この地球ではキリスト教イスラム教仏教あたりが強くて先進国メンツの都合でキリスト教がバリつよになってるけど、宇宙にはまた宇宙バリつよ宗教があってやがて奴らは善人ヅラして『布教活動』にやってくるのではないか? 俺らは異教徒として財産巻き上げのうえナメた口約束に騙され皆殺しにされるのではないか?
あれだ。ピサロ。コンキスタドール。ド畜生だよね。何べん話聞いても引く。いや大丈夫、日本人も歴史的になかなかのことしたのは知ってるし大丈夫だよ、俺のこと『被害者感情に寄り添う自分の上位性と無謬性に酔ってる可哀想なガキ』みたいな目で見なくていいよ。義務教育受けてたら最近の戦争のことだって習ってるしさすがに日本だけイノセントと思ってる奴頭ヤバイでしょ。人間なんてな全員クズ。集団になったらもっとクズです。
ちげぇんだよ過去の話をしてんじゃないの。未来。未来の可能性! 俺らみんな改宗か死かみたいなことにいつかなるかもね? それが案外近々かもね、って思ったんだっつー、そーゆー話。
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