転ゾン

影神

ゾンビニナリマシタ



『憎い!!!


悪い!!!


醜い!!!』



俺は弱かった。


雑魚だった。



人を怨み。


自分を恨んだ。



だからこうなった。



男の声1「アイツ共食いしてるぜ。」


男の声2「キショイな。」


男の声3「あんな奴ヤった所で。


大した経験値にすらならねーよ。」


男の声2「くせえ臭いが移るだけだ。」


男の声1「ちげえねえ笑」


男達の声『ははははははは』



頭が、、


咽が渇き。


腹が減り。


頭が痛い。



気付けば俺はゾンビだった。



どうしてゾンビだと言えるのかと聞かれれば。


皆が俺をそう呼ぶからだ。



勇者。冒険者達は、モンスターを狩る。


そして経験値を得て様々なスキルを得る。


今や誰もが知っている様な当たり前のモノだ。


しかし、他と違う所があるとするならば。


勇者や冒険者が逆に狩られた場合、


その肉体はその場所に留まる。


という所だろうか。


持ち物や装備品がモンスターと同様に落ちる為。


それらを奪いに来る奴等も少なくはない。



俺はただ我武者羅に肉体を貪る。


飢え。を、満たしているだけだ。


頭が、、痛い、、



自分からデータを消さない限り。


この世界では何度でも転生する事が出来るが。


モンスターになってしまった場合は。


人間になる事は出来ず。


転生する事は出来ない。


一度。絶える事、はするが。


暫くすると元の姿で生き返らせられる。


データも。消せない。



要は地獄みたいなもんだ。



男の声4「こいつ、お前を貪ってるぜ、」


女の声1「嫌だ、キモい」


男の声5「邪魔なんだよ!!!」



ゥウウゥヴァアアァア!!!


痛い。



俺はただ、生きてるだけだ。


『どうしてあの子が死ななければならないんだ!』



一生懸命生きようとしている。


女の声『イジメに合ってたらしいわよ、』


男の声『イジメは、ありませんでした。』



俺がお前等に何をしたんだ。


温かい声『どうしてあの子が。


死ななくちゃ。いけなかったの、』



俺が弱いからか、、


男の声『只今、調査中です。』



俺が、、無力だから。


男の声4「雑魚が。」



俺が、、弱いから。


『憎い。。


奴等が悪い。』



温かい声『もぅ、疲れちゃった。』


正義なんてのは無かった。



、、神も居ない。



在ったのは偽りの偶像だった。



『醜い。』



男の声4「うりゃぁああああ!!!」


女の声1「はあ。


経験値これだけ、、?」


男の声4「アイテムも装備品も。


何も獲られて無かったんだ。


良かったじゃねえか。」


女の声1「まあ、ね?」


男の声4「次はくたばるなよ?」


女の子1「次はちゃんと守ってよ?」


男の声4「はいはい。」



「ヴゥウウウ、、」



俺はまた生き返った。



この。醜い姿で。


「ヴヴァアアアアアアウ!!!」



「ヤれ。」


男の声1「こいつ。人の言葉を喋ったぞ、」


男の声2「うわぁあああああああ!」


男の声3「たかがゾンビだろうがよ、、」


「喰え」



「ヤれ。」


男の声4「た、助けてくれっ。」


女の声1「いゃ、、」


『喰え』



これはまだ序章に過ぎない。


あっちで果たせなかった事を。


俺はこっちで晴らす。



どっちにしろ。


もう人間には為れないんだ。



だったら、、



俺は。


「ゾンビらしく。生きてやろうじゃねえか。」
























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転ゾン 影神 @kagegami

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