幼なじみに告白するつもりで幼なじみのおかあさんに告白してしまったのは黒歴史です
山田ジギタリス
幼なじみに告白するつもりで幼なじみのおかあさんに告白してしまったのは黒歴史です
「ゆみ、好きだ、付き合ってくれ」
ゆみの誕生日に野原で集めてきた花束を持って家に行き勢いのまま告白をした。
「あら~、うれしいわ~、でもそういうのは本人に告白しなきゃダメよ」
ゆみの声と違う、のんびりとした返事が返ってきた。
頭をあげると、目の前にはゆみの
たけるは、花束をあかりさんに押し付けると
「ご、ご、ごめんなさい間違えた。あー、これ、みんなには内緒にして! 帰ります」
と言ってそのまま帰ってしまった。
そのあとはどうだったかあまり覚えていない。たけるは夜になると恥ずかしさが押し寄せてきてなかなか寝付けなかった。結局ほぼ寝れずに次の日になった。
翌日は隣村と合同で村のそばの森に行くことになっていた。
子供は食べられる木の実や草、薪などを集める。
たけるより大きい子、一人前の儀式を終えた子は大人と一緒に狩りをすることになっている。
たけるは昨夜あまり寝れなかったので木の陰に隠れて仮眠をとることにした。
草を踏む音がした。薄目をあけてみると向こうにゆみと隣村のゆうじが居た。
ゆうじがかがむと待ちきれないようにゆみのズボンを脱がす。
小さいころは見慣れていたお尻があらわになる。白いお尻は少し丸くなっているがまだまだ未成熟だった。そのままゆうじはゆみを木につかまら後ろ向きにさせた。
たけるは二人の行為から目を離せないでいた。いつの間にか涙が流れていた。
すべてが終わると服を整えながらゆみが聞く。
「ねぇ、次はいつ会えるの?」
「さすがにすぐは無理だなぁ。それにしてもおまえもすきだなぁ。」
「なにいってるのよ、10歳の私を女にしたのはだれ?」
ゆみがゆうじとしていることだけでもショックだったけど、さらにずっと前からゆうじの女になっていたことがたけるを打ちのめした。
「それに南の畑の奥さん、この間、赤ちゃん産んだけどあんたにそっくりだったわ|」
「お前だっていろんな男としてるんだろ。この間の行商のおっちゃんとか。そういえば、たけるとはしたのか?」
「あんなへたれ、鈍感すぎて誘ってもわかってなかったわ。それに、昨日なんかみすぼらしい花束もってきたみたい。あんなの相手できないわ」
たけるは呆然としてそのセリフが頭にはいらなかった。ただ、自分が失恋したことだけがわかった。
遠くで獲物を見つけた笛の音がした。
ゆうじはゆみに
「そろそろ行くな、次は今度の狩りのときな」
と言い離れていく。ゆみも村の人たちがいる方に帰って行った。
たけるはしばらく動けなかった。ようやくみんなのところに戻った。かなりの時間がたってるのに薪一本もってなかったからこっぴどく叱られた。離れたところでみているゆみはあざけるように見ている。
散々な一日だった。
半年ほどたった頃、ゆみが妊娠した。もともと細かったのでお腹が出るとすぐにわかった。最初は太ったとごまかしていたがすぐに開き直った。
ゆうじの子供なのは確かなようで、ゆみはゆうじの家に突撃した。その後は父親と一緒に隣村に行ってなにやら話していたようだ。
結局、ゆうじの奥さんのひなさんはゆみがぶちまけたゆうじの行動にあきれてゆうじを見放し別れた。ゆうじは隣村の村長の用意した家を出てゆうじの父親の家に移った。ゆみも一緒だった。
ゆみは隣村でいろいろやらかしたようで、最初はまだ若いゆみを孕ませたゆうじだけに非難がいっていたがそのうちに夫婦そろって鼻つまみ者になった。
お節介なやつらが
「おまえ、ゆみにつかまらなくてよかったなぁ」
と言ってきたけど、失恋したのは確かなのでたけるはあいまいに笑ってるだけだった。
ゆみとゆうじの騒動が終ってからしばらくたったころ、ゆみのお父さんが倒れてあっけなく亡くなった。心労がたたったのだろうか。いつ見ても疲れた表情をしていたし、顔色も悪かった。葬儀も終わりゆみの家はあかりさん一人になった。
「一人だと不用心だし、男手が必要だろうから」
たけるの両親がたけるをあかりさんのところに手伝いに行かせるようになった。
なんで父親じゃなくてたけるが行かされるのかとかそもそもたけるが行く必要があるのかとかわからなかった。
けれどすなおにしたがったのはなんだかんだ言ってたけるもあかりさんを心配していたからだった。それに、明るくおしゃべりなあかりさんと一緒に居るのは楽しい。
いつの間にか仕事の合間にあかりさんの家に行くことが多くなった。ちょっと困るのは、部屋の中でのあかりさんの格好だった。下着が見えるだけでなく、夏場は下着すら脱いで胸の谷間が見えたり服の上から乳首のぽっちが見えたり。
あかりさんからみたたけるは小さいころからそばにいる子供なんだろうけど、たけるもそれなりに知識はある。あかりさんの娘のゆみがセックスしてるところをもろに見てるし、まだ、経験はないけど。
もやもやするたけるの気持ちに気付いているのかいないのか、あかりさんはたけるのうでに胸を押し付けたりあたまを胸に抱きしめたり。家に帰って両親と妹に気がつかれないように自分で処理するのは苦労した。
秋が過ぎ冬が来た。今年は豊作で森での獲物も豊富だった。豊穣の祝う祭りも盛り上がりカップルがいくつもできた。春には結婚式をあげそうなカップルもちらほらいた。
今年は両親がそろって遠くに出かける順番だった。妹もつれていくがたけるはあかりさんの用心棒として一人で残ることになった。1日くらいなら自分の家で一人でも大丈夫だが例年通りだと5日間。だからあかりさんの家に世話になることにした。
あかりさんは相変わらずおしゃべりで村の噂をいろいろしゃべる。南の畑のおくさんは結局ゆうじの子供なのを白状して泣いて土下座して家に置いてもらっているそうだ。
ひなさんの家からたたき出されてしばらくおとなしくしてゆうじだけど、またうちの村で悪さしていた。新婚さんの家に忍び込んで若奥さんに手をだして旦那に現場を押さえられてたたき出されたとか。どうやら奥さんお腹に子供がいて旦那の子供かゆうじの子供かわからないらしい。その後のゆうじはどうなったかというと、まぁ、男なら勘弁してほしいことになってた。
あかりさんもゆうじからしつこく迫られたのでたけるの両親に相談してたそうで、たけるが手伝いの名目で通うっているのはそのせいだった。父親じゃなくてたけるなのは口がさない連中を案じてらしい。まぁ、父ちゃん母ちゃんにべたぼれだからね。変な噂をたてられたくないのはわかる。たけるならまぁ間違いもないとおもわれているようだ。自分がヘタレだと知れ渡っているのを思い知らされてたけるは凹んだ。
今回もたけるも一緒に行けなくはなかったけどあかりさんの身を心配して置いていかれたようだ。
「そういえばたけるくんからの告白にまだ応えてないね」
ちょっと意地悪な笑顔で黒歴史を言ってくる。
「あー、忘れてください。勘弁して」
「はいはい、でも、おばちゃんは独身だしたけるちゃんいい子だから付き合いたいわー」
「だから、、勘弁して」
そろそろ寝る時間になったので戸締りをして寝ることにした。勝手知ったる家なのでたけるも手伝うとすぐに終わる。たけるが一度灯をテーブルに置いたところで後ろを向いたままあかりさんに聞く。
「今日はゆみがいた部屋に寝るの?」
「火がもったいないから一緒に寝よ。」
「そんなことすると襲っちゃうよ。」
「あら、そんな勇気あるのかしら。」
たけるがうしろを向くとあかりさんが首っ玉にしがみついてきてキスをした。
長いキスだった。
ようやく口が離れると
「ねえ、しよ」
「でも……」
「去年、告白してくれた時、間違いってわかっててもうれしかったな。」
「その話は、」
「あの人がいたから気持ちを抑えてたけど、今はあの人もいないし、ここにいる間だけでいいから、相手してくれない?」
「お、、俺、、まだ、、、」
「そうなの、じゃ、おばちゃんがいっぱい教えちゃう。」
そのままたけるは引っ張られるようにあかりさんの寝室に連れて行かれた。
あかりさんは寝室に入るとまたキスをしてくる。
たけるはそれに応えながらあかりさんのおっぱいをさわった。
柔らかい。
あかりさんは服を脱ぎ裸になる。たけるも慌てて服を脱ぎ裸になった。
どちらからともなく抱き合い、そのままベッドに横になる。たけるは大人になれた。
あかりさんが布団をかけてくれ横にぴったりとくっついてきた。
「たけるがうちに来てくれてるとき誘ってたのわかってた?」
「………」
「その顔はわかってなかったみたいね。」
「ごめん」
「謝らなくていいの。まぁ、あまりに奥手だからこうやってうちに泊めるようにしてもらったのだけど。」
「えっ……」
「あなたのお母さんも共犯よ。と言うかあの人が主犯かもね。あんたの事心配していたし。」
「ねぇ、あかりさん聞いていい?」
「なぁに?」
「俺があかりさんと結婚したいって言ったら結婚してくれる?」
「うぬぼれないの、まだ半人前なのに。それに、年が離れてるでしょ。」
「俺が一人前になって稼げればいい?」
「だめ、まず聞くけど、あんたしたから責任とろうとしてない?」
「そんなこと……」
「あんたは気がついてないようだけど、結構あんたのこと好きだって女いるのよ。すみれとかまきとか」
「あいつら俺の事便利に使ってるだけだよ」
「あんたにお願いしたあとにご飯作ったりしようとしてるのに、あんたが断って帰ってきちゃってるじゃない」
「それは……」
「おかげでアタシが怒られるんだよ。年増の癖にタケルに手を出すなって。まぁ出しちゃったけど」
「あかりさんは、俺がもっと年上で稼いでいたら結婚する?」
「だから、」
「真面目に答えて。さっき、俺に告白されてうれしいって言ってたけど本当?」
「……、本当よ。あたしはだれにも告白されてことがなかったからね、初めて告白されて余裕ぶってたけどホントは心臓がばくばくしてたよ」
「あかりさん、俺、本気だよ。一人前になってあかりさんと結婚したい」
「子供でもできなきゃ結婚する気はないよ」
「じゃ、子供作ろう」
たけるは起き上がりあかりを組み敷く。あかりは抵抗しなかった。
二人して抱き合って寝た。夜中に目が覚めると目の前にあかりさんがいる。
たけるは幸せに包まれまた眠りに入った。
その日から同じ部屋で寝るようになった。
両親が帰って来てからも何かと口実を作りあかりさんの家に通った。
母親はもちろん妹ですら何か言いたそうなにやけた表情だった。
やればできる。赤ん坊が。
ゆみのお父さんとはできなかった赤ん坊ができてしまった。あかりさんが深刻な顔をしてうちの両親と話している。たけるも呼ばれてあかりさんの妊娠を知った。
あかりさんは自分が未亡人な事とたけるの年の差を気にしていた。
たけるの両親は、たけるもそろそろ一人前。年の差があっても子供ができれば関係ない。
未亡人と結婚する若い奴なんていくらでもいる。なによりずっと見てきてあかりちゃんがどんな人か村中の人が知っている。変なことを言うやつはぶっとばしてやる。
と言ってくれた。
あかりさんはたけるの母親が手伝って男の子を出産した。
農閑期だったのであかりさんのお兄さん一家も赤ん坊を見に来てくれた。
お兄さんはたけるの頭をガシガシ撫でて、次はお前の頑張りだな、と言った。
たけるが村の一人前の儀式の後、みんなと一緒に結婚式を挙げた。
たけるもあかりさんに間違って告白したころのあかりさんの歳に届いた。あかりさんもさすがにいい歳だけどあの頃と変わらない。
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