アルバムの中の私
段ボール箱から出てきたアルバムは、少し重かった。
埃をかぶった表紙を開くと、見慣れた顔が現れた。
それは、幼い頃の私だ。
丸い瞳を輝かせ、無邪気に笑っている。
ページをめくるたびに、様々な思い出が蘇る。
初めての自転車、遠足でのお弁当、家族旅行での一枚。
どれもが、今の私を形作った大切な瞬間だった。
しかし、アルバムの中の私は、どこか遠い存在のように感じられた。
無邪気だった笑顔は、大人になった今、どこか影を潜めている。
子供だった頃の純粋な心を、私はどこかに置き忘れてきてしまったのだろうか。
ふと、未来の自分のことを想像してみた。
今の私から10年後、20年後、私はどんな風になっているだろう。
同じようにアルバムを見返しているだろうか。
それとも、デジタルデータの中に記憶を保存しているのだろうか。
きっと、今の私は、未来の私からすれば、アルバムの中の子供と同じように、どこか懐かしい存在になっているのだろう。
アルバムを閉じた後も、私はしばらく考え込んでいた。
過去を振り返り、未来を想像すること。
それは、自分自身を見つめ直すための大切な時間なのかもしれない。
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