嘘つきな恋を、もう少し

桜未美亜

プロローグ

 だから、まだ止まるな。ちゃんと動け、私の心臓。

 大好きで大切な人に、自分の言葉で、好きって伝えるまでは。


 願わくば、あともう少し。もう少しだけ、この命の灯火と、不器用で切ない恋の寿命が、消えずに延びてくれたなら──。


 他にはもうなにもいらない。

 本当に、それだけでいいんだよ、私は。

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