黒髪のグロンダイル

ひさちぃ

キャラクター設定

ミツル・グロンダイル

 異世界から転生した魔獣狩りの天才であり、異例の魔術師として注目を浴びている。彼女の特徴的な黒髪はこの世界では珍しく、その美しい容貌と相まって目を引く存在である。しかし、プロポーションはまだ幼い少年のようであり、寸胴な体型に彼女自身も敏感である。


 自称二十一歳の彼女は、実際には前世での記憶を持つ女性だが、転生後の身体は十二歳程度の少女となっている。このギャップに彼女は時折揺れ動き、冷静な大人の一面と無邪気な子供っぽさが共存している。


 彼女が使う『深淵の黒鶴』は、転生後の世界において、四大元素すべてに干渉できる強力な魔術として機能している。この力は、限定された領域内で事象を操作し、詠唱や魔法陣を必要とせずに具現化させるもので、魔術の常識から逸脱した特異な存在となっている。また、この能力は世界の深い謎に結びついており、その真の力はまだ全貌が明かされていない。


 性格的には冷淡に見えながらも、実は直情的な一面を持ち、他者との関わりを避け、一人でいることを好む。しかし、その孤独を埋めるかのように、時折子供っぽい無邪気さが顔を覗かせる。過去の記憶と現在の状況の狭間で揺れ動く彼女は、複雑で一筋縄ではいかないキャラクターである。


 前世の名前は『柚羽 美鶴ゆずは みつる』で、眠っていた前世の二十一歳の記憶が、突然十一歳の身体で覚醒したため、その間で微妙に揺れ動いている。一年が経過しても、冷静さと子供っぽさが同居する彼女は、今後の成長が楽しみである。



ヴィル・ブルフォード

 ミツルの前にふらりと現れた、中年の剣士で、ぼさぼさの頭と無精髭が特徴。彼は「黒髪のグロンダイル」の噂を聞きつけて訪れたが、その真意や目的は不明である。自らを「放浪のしがない剣士」と称する一方で、実際の剣技は一流であり、歴戦の強者である。


 彼は「雷光」と呼ばれ、対魔獣戦のエキスパートとして知られている。その戦闘スタイルは、その名に恥じない人間離れした突進力と豪快な剣さばきに表れており、豊富な戦闘経験から魔獣に関する知識も豊富で、魔獣の種類ごとに異なる核である【魔石】の位置を把握している。彼の戦闘能力により、一瞬にして勝敗を決することができる。



ユベル・グロンダイル

 故人であるミツルの父親で、かつて大国リーディスの騎士団に所属し、二十年前の魔獣の大攻勢「西部戦線」で勇名を馳せた。しかし、命令違反を犯し左遷され、その後何らかの理由で国を追われ、懸賞金付きのお尋ね者となっていた。グロンダイルの名を伏せて山奥で妻と子と共に暮らしていたが、最強の剣士として「形」を持たない変幻自在の剣筋を駆使していた。ミツルは幼少時から父の姿に憧れており、その影響を色濃く受けている。



ミツルの母(メイレア・レナ・ディウム・フェルトゥーナ・オベルワルト)

 リーディス王家の正統な血筋を引く王族であり、その出自は高貴である。しかし、現在彼女は行方不明となっており、ミツルと父ユベルは彼女を探すために長い旅を続けていた。


 メイレアがなぜ王族の立場を離れ、ユベルと結ばれたのか、その経緯は依然として謎に包まれている。ミツルの名前についても、メイレアは「まだあなたがお腹の中にいる時に、そういう名前にしてって言った気がしたの」と語っており、深い意味があるようにもない。その発言からも分かるように、メイレアは脳天気で楽天的な性格の持ち主であり、ミツルにとっては母でありながらもどこか掴みどころのない存在であった。



白きマウザーグレイル

 ミツルが携える謎めいた剣であり、その意匠や大きさはロングソードに似ているが、刃がついていない点が特徴である。握りと鍔以外は純白であり、構成素材は一切不明であるにもかかわらず、見た目よりも驚くほど軽く、大型の魔獣に踏みつけられても傷一つつかないほどの頑強さを誇っている。


 この剣の中には、ミツルの前世における恋人「茉凜」が転写された形で存在している。その理由は作中の回想編の最後で明かされるが、現在のところは全貌が不明のままである。この剣は、ミツルの安全装置としての意味合いが強く、彼女の戦闘や精神的な安定に大きく関わっている。


 また、ミツルはこの剣の名「白きマウザーグレイル」について、親からその名を他人に明かさないよう厳命されている。この点も、剣の由来や目的に大きな謎を含んでいることを示唆しており、物語の重要な要素として描かれる。



加茂野 茉凜かもの まりん

 元は我々の世界に住んでいたミツルの相棒であり、最愛の人(?)だった。性格は天真爛漫でポジティブ、落ち込んでもすぐに立ち直るど根性の持ち主。ミツルに対して無条件の愛情を注ぎ、前世では異能の安全装置としての役割を果たしていた。精神的な支柱となり、「解呪」の最大の功労者でもあった。異世界に転生し、剣の中に存在する形になっても不平不満を言わず、ミツルとの旅を楽しんでいる。過去のトラウマから雷が苦手。



カイル・レドモンド

 第一話に登場するハンターであり、百九十センチ近い大柄な体格を誇る剣士である。その屈強な体格を活かして、大剣を自在に振るい、主に味方の防御に役立てている。彼はフルスケールの鎧を身にまとい、その重装備と相まって堅牢な守りを提供する、パーティーの要となる存在である。


 物語が進む中で、彼のパーティーが再び登場し、物語に再度関わる重要な展開が待ち受けている。



エリス・ケールス

 若い女性の弓兵であり、金髪をポニーテールに束ねた姿が特徴的である。彼女は弓の名手であるだけでなく、投げ槍の技術にも優れ、遠距離と中距離の戦闘において高い実力を発揮する。戦闘では冷静で的確な射撃を行い、パーティーにとって貴重な戦力である。


 エリスは非常に綺麗好きであり、遠征中も水浴びを欠かさない性格である。そのため、連泊の遠征では、水浴びできない状況になると機嫌を損ねてしまう。その結果、パーティーメンバーは常に水場を確保するために苦労する羽目になる。彼女のこの習慣は仲間内では既にお決まりの課題となっており、エリスのきれい好きさが時折コミカルな一面を引き出すこともある。



フィル・ラマディ

 若い魔術師であり、特に優れた風魔法の使い手として知られている。彼の魔法の精緻さと効果的な使い方は、風の力を自在に操る技術の高さを示している。慎重な性格であり、冷静に状況を見極める能力が、彼の魔法の使い方にも反映されている。



レルゲン・フォースト

 初老の回復師であり、酒好きな一面を持つ。彼は主に軽い傷の手当てや体力の回復を担当し、医術の心得も深い。年齢を重ねた経験豊富な回復師であり、彼の手による治療は確かなものとされている。


 酒好きな性格が影響しているのか、時折場を和ませるために軽口を叩くこともあるが、その腕前は確かで、チームメンバーからの信頼も厚い。戦闘後や長旅の後に、彼の回復術とともに、彼の酒好きな一面が垣間見えることで、仲間たちにとって心強い存在である。


マティウス・ロックガル

 そこそこの魔術適性を持ち、雷のトラップを扱う罠職人。ただし、加茂野茉凜(真凜)は雷にトラウマがあるため、彼の罠が苦手である。


ベルデン・サイスト

 エレダンの街にあるハンターギルドのマスターであり、五十台の紳士的な風貌を持つ男性。ハンターギルドは数多くの荒くれ者たちが集まる場所であり、彼らを束ねるためには強い指導力が必要だが、ベルデンはその厳格な性格でギルドをしっかりと統率している。しかし、表面上の厳しさに反して、彼の言葉遣いや口ぶりは穏やかで、冷静な話し方をするのが特徴。


 その穏やかな口調にもかかわらず、ベルデンの言葉には不思議な迫力と強い説得力があり、ギルドのメンバーは彼の意見を尊重ししている。彼の経験豊富な判断力と、的確なアドバイスが、ハンターたちにとって頼れる指針となっている。



ゴードン・ハワネル

 エレダンに向かう隊商のリーダーであり、月に一度、リーディスから新鮮な食材を届ける重要な役割を担っている。



バルグ・キーン

 バーバリアン部族を離れて武者修行の旅に出ている若き戦士。戦いの鍛錬と共に、各地の文化や食事にも興味を持ち、特にリーディスの美食に夢中。中でもシーフードには目がなく、新鮮な魚介料理を楽しむために、リーディスの市場や食堂に足繁く通うほど。

 ミツルとは不思議と気が合い、戦士としての実力を認め合うだけでなく、シーフード料理を一緒に楽しむ場面もしばしば。


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