SCHRÖ,DINGER
甘織玲音
第0話 始祖性のプロローグ
君たちはシュレディンガーの猫を知っているだろうか。物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが脳内で実験を行った、所謂思考実験に値するものだ。
「一定確率で毒ガスを放出する装置と一緒に箱に入れられたネコは、蓋を開けて観測するまで生きた状態と死んだ状態が重なり合っている」
これがみんなの耳にするものだろう。そして、それは「観測するまで物事の状態は確定しない」という考えの量子力学の考え方を説明するものとなった。
つまり、これは要約すればエルヴィン・シュレディンガーが量子力学の確率的表現を巨視的に見ると矛盾に陥ることを「シュレーディンガーの猫」の思考実験で表現したのだ。
確率は5部5部かもしれないし、もしくは4.6だったりするかもしれない。
不確かなもの。
先が見えないもの。
観測出来ないもの。
例えばの話だ。この理論通り行くと、何度もこの実験を繰り返したとて、確率は一定では無い。つまり、運命が揺らぎ兼ねない。
かと言って、全く同じ結果なこともあり得る訳である。未知数である。こうなれば観測出来ない。
何故ならそれは不規則に起こりうる事だからだ。
そして、そんな特殊な思考実験論は決して、非現実では無いことを俺は知ってしまった。知ることになっちまった。
いや、まあ。なってしまったものはしょうがないけども、是非この問題をエルヴィン・シュレディンガーに聞きたかったものだ。
だが、時には思考実験の域を出る事になる。これは、俺の日常を描いた物語だ。
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